【編集長の視点】シンデンハイテクは急反落もV字回復業績・増配・自己株式取得を見直し割安株買い再燃が有望

 シンデン・ハイテックス<3131>(JQS)は、93円安の1250円と3日ぶりに急反落して始まっている。今年6月27日につけた株式分割権利落ち後安値から300円超幅の水準訂正をし、目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ下値には、今3月期業績がV字回復し、配当も増配が予想され、さらに自己株式所得を実施中であることを見直して割安株買いも交錯している。今年8月8日には今期第1四半期(1Q)決算の発表を予定しており、今期通期業績のV字回復が確認できると先取りされている。

■新規商品開拓へスペシャリストを採用し国内外の営業拠点も統合・効率化

 同社の今3月期業績は、売り上げ512億8300万円(前期比3.9%増)、営業利益6億3100万円(同72.3%増)、経常利益4億1700万円(同2.48倍)、純利益2億7200万円(同3.77倍)と3期ぶりの大幅増益転換が予想されている。前期業績は、期末納入予定の半導体の期ずれやリチウムイオンバッテリーなどの新規取扱商品・新規顧客開拓のために11名のスペシャリストの中途採用などの営業費用増加などが響いて下方修正、連続減益となったが、今期は、これがすべてプラス寄与するほか、中国ビジネスを上海子会社を香港子会社に統合し、国内ビジネスも仙台、熊谷の営業拠点を東京本社に統合した効率的な営業体制が寄与、引き続き車載機器向け液晶や産業用機械向けの電子部品が順調に推移することなどが要因となる。

 配当は、前期は年間40円と昨年8月31日を基準日に実施した株式分割(1対2)を勘案して前々期の90円から減配したが、今期は、年間55円と前期の減配幅を大きく上回る増配を予定している。また、11万株(発行済み株式総数の6.51%)、1億3000万円を上限に自己株式取得も実施中で、株主への利益還元を積極継続する。8月8日予定に1Q決算発表で、V字回復業績・大幅増配・自己株式取得の好実態が再認識される可能性が大きい。

■PER7倍台、PBR0.6倍、配当利回り4.4%の割安修正で年初来高値目指す

 株価は、昨年6月の上場来高値8740円から3680円で株式分割の権利を落とし、権利落ち後は前期業績の下方修正・減配で1411円と下ぶれ、今期業績のV字回復・増配予想で1661円と反発し、英国の「欧州連合(EU)離脱ショック」に巻き込まれて権利落ち後安値1040円に突っ込んだ。足元では、自己株式取得を歓迎して1476円までリバウンドして25日移動平均線を上抜きもみ合いを続けている。PERは7倍台、PBRは0.6倍、配当利回りは4.40%と評価不足を示唆しており、戻り高値奪回から年初来高値2076円を目指す強調相場が続こう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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