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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ケンコーマヨネーズは高値圏での自律調整一巡、中期成長力を評価して上値追い
- 2015/1/21 07:12
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
業務用マヨネーズ・ドレッシング類大手でサラダ・総菜関連も拡大しているケンコーマヨネーズ<2915>(東1)の株価は、高値圏での自律調整一巡感を強めている。予想連結PERには依然として割安感があり、中期成長力を評価して上値追いの展開だろう。なお2月6日に第3四半期累計(4月~12月)の業績発表を予定している。
サラダ類、マヨネーズ・ドレッシング類、タマゴ加工品などの調味料・加工食品事業、フレッシュ総菜などの総菜関連事業、その他事業(ショップ事業、海外事業)を展開している。
中期経営計画で掲げた「サラダカフェ」「サラダ料理」「世界のソース」「タマゴ製品」など、タマゴ加工品や総菜関連分野への事業拡大戦略を加速し、新商品を積極投入している。14年3月には静岡富士山工場が竣工した。また業務用メーカーからの脱皮を目指して「サラダのプロがつくった」サラダシリーズなどBtoC市場への事業展開も強化し、サラダカフェ事業は30店舗構想を掲げて百貨店やショッピングモールへのショップ展開を進めている。
今期(15年3月期)の連結業績見通し(5月12日公表)は売上高が前期比4.7%増の600億円、営業利益が同19.0%増の28億90百万円、経常利益が同19.5%増の27億円、純利益が同25.6%増の15億90百万円、配当予想は同2円増配の年間23円(第2四半期末10円、期末13円)としている。
第2四半期累計(4月~9月)は穀物相場の高騰、鶏卵相場の高値圏推移、燃料費の上昇、静岡富士山工場立ち上げの一時的費用などが影響して減益だったが、売上面では分野別・業態別チームによる決め細やかな営業の成果、タマゴ加工品を中心とするコンビニエンスストア向け商品の採用拡大などで、調味料・加工食品事業が同3.2%増収、総菜関連事業が同9.3%増収と好調に推移した。
通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.2%、営業利益が48.2%、経常利益が47.0%、純利益が46.3%と概ね順調な水準である。また四半期別の営業利益を見ると、第1四半期(4月~6月)の6億35百万円に対して、第2四半期(7月~9月)は7億59百万円に改善している。原材料高に対応した価格改定効果や生産効率改善効果も寄与して、通期ベースで好業績が期待される。
生産効率改善に向けた生産拠点統廃合も推進している。海外では当社と味全食品工業股份有限公司が50%ずつ出資する頂可(香港)控股份有限公司の子会社である東莞頂可食品有限公司(持分法適用関連会社)を14年8月末で解散し、主力工場の杭州頂可食品有限公司へ生産を集約した。国内では子会社の関東ダイエットエッグ新座工場(埼玉県新座市)を14年9月に閉鎖し、静岡富士山工場に生産を集約した。いずれも生産拠点統合に伴う一時費用が発生するが業績に与える影響は軽微としている。
また14年11月には東芝<6502>と業務提携し、東芝の植物工場「東芝クリーンルームファーム横須賀」で生産した野菜に、当社製の粉末ドレッシングを添付したコラボレーション商品を、当社の子会社が運営するサラダ専門店「サラダカフェ」で発売開始した。
分野別・業態別チームのきめ細やかな営業対応、メニュー提案力の強化、新商品投入などの戦略が奏功し、コンビニエンスストア・食品スーパー・外食向けに、サラダ・総菜類やタマゴ加工品の採用が順調に拡大している。生産効率改善効果も寄与して中期的に収益拡大基調だろう。
なお株主優待については毎年3月末日現在の株主に対して実施している。1単元(100株)以上10単元(1000株)未満所有株主に対して当社商品1000円相当、10単元以上所有株主に対して当社商品2500円相当を贈呈する。
株価の動きを見ると、12月30日の高値1490円から利益確定売りで上げ一服となったが、大きく下押す動きは見られず、1月15日の1381円から切り返しの動きを強めている。19日には1446円まで上伸する場面があった。自律調整が一巡したようだ。
1月20日の終値1440円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS111円89銭で算出)は12~13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間23円で算出)は1.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1112円55銭で算出)は1.3倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。予想連結PERには依然として割安感があり、中期成長力を評価して上値追いの展開だろう。