【編集長の視点】VEGAは続急落も1Q決算発表をテコに連続最高業績を見直して直近IPO株買いの再燃が有望
- 2016/7/19 14:06
- 編集長の視点
ベガコーポレーション<3542>(東マ)は、180円安の2900円と続急落して始まっている。同社株は、今年6月28日に新規株式公開(IPO)されたばかりで、きょう19日から東証マザーズ先物取引が開始された関係で、東証マザーズ指数が4営業日続落してスタートしており、同社株にも目先の利益を確定する売り物が続いている。ただ同社は、IPO後の初決算として今3月期第1四半期(4~6月期、1Q)業績の発表を今月7月29日に予定しており、これをテコに今月今3月期業績が過去最高更新と予想されていることを見直して直近IPO株買いが再燃する可能性が大きい。製造小売業(SPA)の業態から、円高進行から業績がプラスに働き業績が上ぶれるとの期待も高めている。
■気通貫型のビジネスモデルで開発輸入を展開し円高は業績上ぶれ要因
今3月期業績は、売り上げ98億600万円(前期比17.6%増)、営業利益7億8500万円(同36.4%増)、経常利益7億7000万円(同30.2%増)、純利益6億6200万円(同85.7%増)と大幅続伸を予想、過去最高を更新する。同社は、家具・インテリアをインターネットで通じて販売するEコマース事業を展開、業界最大を誇っている。商品企画から海外発注、輸入、広告、物流まで一気通貫型で手掛ける総合家具通販「LOWYA(ロウヤ)」など5つのショップを運営し、高品質の商品をリーズナブルな価格で提供、顧客ニーズに適応した新商品の投入、取扱商品の充実・強化、ターゲットの顧客層別の店舗作りを推進していることなどが要因になる。また、新たにグローバルECサイト「DOKODEMO(ドコデモ)」にも進出し、コスメなどインバウンド(外国人観光客)関連商品の越境ECを展開していることも成長可能性を強めている。
今期の想定為替レートは、1ドル=117円(前期実績1ドル=120.1円)に設定、取扱商品を開発輸入するSPAのビジネスモデルから円高は業績上ぶれ要因となっており、このほか今年6月に新規オープンした30代~40代の女性・主婦をターゲットとする6ブランド目の新店舗「LESMORE(レスモア)」も加わって、7月29日発表予定の今期1Q業績への好影響を期待、注目を集めている。
■連続ストップ高で開けた窓埋めをほぼ終了し半値押し水準から再発進
株価は、公開価格1600円に対して2000円で初値をつけ即ストップ高して2750円と買われ、英国の「欧州連合離脱ショック」の波及で2170円と下ぶれたが、3営業日連続のストップ高を交えて切り返して上場来高値4140円まで買い進まれる好調なIPOとなった。最高値後は、東証マザーズ市場の調整とともに下値を探り、連続ストップ高で開けた窓埋めを続けている。テクニカル的にも、IPO初日につけた上場来安値1920円から最高値までの上昇幅の半値押し水準まで調整し、下渋り下値抵抗感を強めており、1Q業績への期待を高めリバウンド幅を拡大しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)