【株式評論家の視点】栄研化学は押し目は買い妙味が膨らみそう

株式評論家の視点

 栄研化学<4549>(東1)は、臨床検査薬のリーディングカンパニーとして、先進の医療ニーズに応えられる製品・技術の研究開発に努め、より高品質の製品および情報を提供することにより、人々の健康に貢献すべく、また、世界的な検査企業入りという未来のため、強固な事業基盤作りとして着実な収益性の向上を目指している。

 同社は、「臨床検査事業」、「食品・環境検査事業」の2つを事業ドメインと定め、着実な成長と収益性向上を実現し、また、このドメインの中で次の成長を担う新規事業を創出することを目指している。生活習慣病の予防と早期診断をはじめ、人々への健康への願いがますます大きくなってきている今日、臨床検査の果たす役割はさらに重要度を増している。

 今2017年3月期第2四半期業績予想は、売上高が168億1000万円(前の期比3.1%増)、営業利益が20億8000万円(同6.2%減)、経常利益が20億9000万円(同5.3%減)、純利益が15億3000万円(同21.2%増)を見込んでいる。

 通期業績予想は、売上高が338億3000万円(前期比5.2%増)、営業利益が27億1000万円(同23.4%減)、経常利益が27億1000万円(同24.1%減)、純利益が18億2000万円(同25.1%減)を見込んでいる。配当予想は40円(第2四半期末20円、期末20円)継続を予定している。

 株価は、2月1日につけた年初来高値2551円から5月10日に年初来安値1846円と調整を挟んで7月4日高値2437円と上昇。その後、モミ合っているが、25日移動平均線がしっかりサポートしている。世界で年間900万人以上が新たに結核に感染しているが、同社は結核感染の判定が約1時間で終わる迅速検査装置を2017年からフィリピンや韓国など輸出し、将来的にはアフリカにも広げる方針で、海外市場開拓への期待感が高まる。折に触れ物色の矛先が向かう可能性はあり、ここからの押し目は買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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