ティムコは16年11月期減額修正したがネガティブ反応限定的で下値切り上げ

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 ティムコ<7501>(JQS)はフィッシング用品およびアウトドア用品の企画・開発・販売事業を展開している。16年11月期業績予想を減額修正したが、株価のネガティブ反応は限定的で下値を切り上げている。0.2倍近辺の低PBRも見直して戻り歩調だろう。

■フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・販売

 フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・開発・販売事業を展開している。15年11月期の事業別売上高構成比はフィッシング事業が32%、アウトドア事業が67%、その他(不動産賃貸収入など)が1%だった。

 オリジナルアウトドア衣料ブランドである「Foxfire(フォックスファイヤー)」の商品力強化や、直営店舗「Foxfire Store(フォックスファイヤーストア)」の収益力向上に取り組んでいる。

■15年11月期は減収減益だが売上総利益率は上昇

 四半期別業績推移を見ると、15年11月期は売上高が第1四半期6億31百万円、第2四半期7億62百万円、第3四半期6億75百万円、第4四半期7億69百万円、営業利益が31百万円の赤字、33百万円の黒字、14百万円の赤字、35百万円の黒字だった。

 15年11月期は消費マインド低迷、商品納期遅延発生、在庫商品値引き販売などで減収減益だった。差引売上総利益率は45.8%で14年11月期比0.2ポイント上昇、販管費比率は45.0%で同0.2ポイント上昇した。特別損失に土地・建物等の有形固定資産等について減損損失を計上したため純利益は赤字だった。自己資本比率は82.8%で同3.7ポイント低下した。

■16年11月期第2四半期累計は計画未達だが収益改善

 7月14日発表した今期(16年11月期)第2四半期累計の非連結業績(7月8日に減額修正)は、売上高が前年同期比6.0%増の14億77百万円、営業利益が同4.4倍の11百万円、経常利益が同2.4倍の17百万円、純利益が8百万円(前年同期9百万円の赤字)だった。

 個人消費低迷や値下げ販売などで売上高、利益とも計画を下回ったが、前年同期との比較では増収増益となり収益が改善した。差引売上総利益は同1.5%増加したが、差引売上総利益率は44.9%で同2.0ポイント低下した。販管費は同0.1%増にとどまり、販管費比率は44.1%で同2.6ポイント低下した。営業外では為替差益が増加(前期1百万円、今期2百万円)した。

 セグメント別(連結調整前)に見ると、フィッシング事業は売上高が同6.0%増の5億28百万円、営業利益が同28.2%増の91百万円だった。ルアー用品の仕入遅延を改善し、フライ用品の新製品投入も寄与した。アウトドア事業は売上高が同6.0%増の9億32百万円、営業利益が同19.9%減の33百万円だった。冬物商品の早期値下げ販売や店舗固定費増加が影響した。その他は売上高が同7.2%増の16百万円、営業利益が同12.7%増の10百万円だった。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期6億63百万円、第2四半期8億14百万円、営業利益は27百万円の赤字、38百万円の黒字だった。

■16年11月期通期を減額修正だが前期比では増収増益予想

 今期(16年11月期)通期の非連結業績予想について7月8日に減額修正を発表した。前回予想(1月19日公表)に対して売上高を50百万円、営業利益を15百万円、経常利益を12百万円、純利益を21百万円減額し、修正後は売上高が前期(15年11月期)比3.3%増の29億30百万円、営業利益が同42.9%増の34百万円、経常利益が同31.2%増の40百万円、純利益が20百万円(前期は14億83百万円の赤字)とした。

 第2四半期累計業績を勘案して通期予想も減額修正したが、前期との比較では増収増益予想である。配当予想は据え置いて前期と同額の年間12円(期末一括)としている。予想配当性向は148.5%となる。

 基本戦略としては規模の拡大よりも内容の充実に重点を置き、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化、直営店舗「フォックスファイヤーストア」の収益性向上に努める方針としている。店舗オペレーション効率化や販管費圧縮などの効果も寄与して収益改善基調が期待される。

■株主優待制度は毎年11月末に実施

 株主優待制度は毎年11月30日現在の株主を対象として実施している。優待内容は、100株以上~1000株未満保有株主に対してFoxfire Store20%OFFお買物優待券1枚、1000株以上保有株主に対してFoxfire Store20%OFFお買物優待券2枚贈呈する。株主優待券利用対象店舗は直営店(会社ホームページを参照)となる。

■株価は減額修正に対するネガティブ反応限定的で下値切り上げ

 株価の動きを見ると、16年11月期減額修正に対するネガティブ反応は限定的で、6月27日の直近安値450円を割り込むことなく、下値を切り上げている。

 7月22日の終値462円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想EPS8円08銭で算出)は57倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は2.6%近辺、前期実績PBR(前期実績BPS1989円07銭で算出)は0.2倍近辺である。時価総額は約15億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、日足チャートで見ると25日移動平均線を突破した。0.2倍近辺の低PBRも見直して戻り歩調だろう。(日本インタビュ新聞アナリスト水田雅展)

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