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- 【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ライドオン・エクスプレスは下値固め完了して強基調に転換、中期成長力を評価して14年11月戻り高値試す
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ライドオン・エクスプレスは下値固め完了して強基調に転換、中期成長力を評価して14年11月戻り高値試す
- 2015/1/22 07:05
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
フードデリバリー事業のライドオン・エクスプレス<6082>(東マ)の株価は、直近安値圏2700円近辺から切り返して3000円~3100円近辺で推移している。下値固めが完了して強基調に転換したようだ。中期成長力を評価して14年11月の戻り高値3440円を試す展開だろう。なお2月9日に第3四半期累計(4月~12月)の業績発表を予定している。
宅配寿司NO.1の「銀のさら」を中心に「食」を通じた「宅配」サービスを、主に「団塊~シニア」マーケット向けに「ビッグデータ」を活用して「FC展開」する企業である。
主力のフードデリバリー事業(調理済み食材宅配事業)では、宅配寿司「銀のさら」、宅配御膳「釜虎」、シニア向け宅配弁当「銀のお弁当」、宅配とんかつ「あげ膳」、宅配カレー「カレーキャリー」を全国展開し、提携レストラン宅配代行サービスの「ファインダイン」事業、アート創作サービスの「リトルアーティスト」事業も展開している。14年4月には「銀のさら」よりも低価格の新ブランド宅配寿司「ろくめいかん(鹿鳴館)」を開始した。
宅配寿司・釜飯カテゴリーにおける圧倒的な市場シェアとブランド力に加えて、直営店とFC店を戦略的に配分して1拠点で複数ブランド店舗を展開していることが特徴だ。前期(14年3月期)末時点の宅配拠点数(ファインダイン事業含む)は直営84拠点とFC287拠点の合計371拠点、ブランド別店舗数は「銀のさら」365店舗および「釜虎」186店舗など、直営159店舗とFC414店舗の合計573店舗である。
14年2月には高齢者向け配食サービス「まごころ弁当」を全国展開するシルバーライフ(東京都新宿区)と業務提携し、14年9月には人気の高い海産物を中心としたネットショッピングサイト「銀のセレクション」をヤフーショッピングに開設した。
今期(15年3月期)の業績(非連結)見通し(5月15日公表)は売上高が前期比1.8%増の167億73百万円、営業利益が同12.8%増の10億35百万円、経常利益が同10.3%増の10億30百万円、そして純利益が同19.1%増の6億円としている。配当予想(11月10日公表)は初配当となる年間20円(期末一括)としている。
第2四半期累計(4月~9月)は食材の品質向上などで原価率が上昇して減益だったが、新規出店(17店舗)や既存店の好調(前年同期比2.9%増)で増収となり、売上高、利益とも期初計画を上回った。販売促進活動強化やメニュー改訂などの施策が奏功して客単価の上昇も寄与した。
通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が47.8%、営業利益が37.8%、経常利益が36.9%、純利益が35.5%で利益進捗率がやや低水準だが、第2四半期累計が計画を上回ったことに加えて、下期には前年同期との比較で原価上昇や広告宣伝費増加の影響が一巡するため、通期ベースで好業績が期待される。
中期成長戦略としてデリバリーネットワーク戦略(BtoC型デリバリープラットフォームの構築)を掲げ、宅配寿司「銀のさら」を核とした拠点数の増加、同一拠点内で複数ブランド店舗を運営する複合化戦略の推進と出店加速、ビッグデータ分析を活用した新商品・新サービスの開発、テレビCM・計画的DM・WEB限定キャンペーンによる販促、介護施設などへの販促活動強化を推進する。宅配代行のファインダイン事業ではブランド確立、提携レストランの新規獲得、配達効率改善などを推進する。
フードデリバリー市場は高齢人口の増加、女性の社会進出による家庭内調理時間の減少、小規模世帯の増加などを背景として拡大基調だ。店舗の立地・面積・設備などの制約を受けにくい優位性も発揮して、中期的に収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、14年11月下旬~12月の直近安値圏2700円近辺から切り返し、足元では概ね3000円~3100円近辺で推移している。14年10月安値2610円を割り込まず、下値固めが完了したようだ。
1月21日の終値3050円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS129円18銭で算出)は23~24倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は0.7%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS533円48銭で算出)は5.7倍近辺である。
大勢として2600円~3400円近辺でのボックス展開だが、日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると26週移動平均線を突破して上伸した。強基調に転換した形であり、中期成長力を評価して14年11月の戻り高値3440円を試す展開だろう。