【編集長の視点】CRI・ミドルウェアはもみ合いも触覚ミドルウェア供給開始を見直しVR関連人気もオンし再騰含み
- 2016/7/27 10:11
- 編集長の視点
CRI・ミドルウェア<3698>(東マ)は、65円高の3845円と3日ぶりに反発して始まったあと、95円安と下ぶれるなど前日26日の終値を挟んでもみ合っている。
6月10日に年初来高値4450円まで買い進まれ、任天堂<7974>(東1)の株価の高値波乱とともに同社株にも目先の利益を確定する売り物が交錯している。ただ目先調整の一巡感も強めており、下値には今年7月から提供を開始した触覚(ハプティック)ミドルウェアを見直し、今年10月に発売されるソニー<6758>(東1)の「プレイステーションVR(PSVR)向けゲームに同社のVR(仮想現実)技術が採用されることも先取りVR関連人気の再燃を期待する買い物も入っている。8月10日には今9月期第3四半期(2015年10月~2016年6月期、3Q)決算の発表を予定しており、業績期待も高めている。
■124種類の震動パターンを実現しゲームの臨場感を劇的に向上
同社は、ハードとアプリの中間に位置して機能するミドルウェアを開発・販売し、国内で唯一、音声と映像のミドルウェアを供給しているが、今回はこれに加え震動による触覚ミドルウェアを投入した。124種類の震動パターンを実現し、音声、映像とともにゲームの臨場感を劇的に向上させるもので、同ソフトを採用したゲーム・ユーザーのプレイ時間や起動回数が増加、課金率も向上しゲームタイトルの収益性アップに貢献する。今年4月のバンダイナムコエンターテインメントに続き、今年10月発売の「PSVR」向けゲームに採用されるVRミドルウェアとともに、同社の成長可能性を高める。
業績も、今9月期第2四半期(2015年10月~2016年3月期、2Q)累計業績は、今年2月の上方修正値を上ぶれて着地するなど好調に推移しており、9月通期業績は、売り上げ14億円(前期比19.1%増)、営業利益3億2000万円(同19.9%増)、経常利益3億2200万円(同22.2%増)、純利益2億4100万円(同33.1%増)と予想、純利益は、過去最高を連続更新する。8月10日発表予定の3Q業績が、通期予想業績に対してどのような進捗率を示すか、業績の上ぶれがあるかなど注目される。
■25日線を前に下げ渋り目先調整一巡感を示唆し上値チャレンジへ再発進
株価は、LINE<3938>(東1)の日米市場同時上場観測報道でゲーム株が人気化するなか年初来高値4450円と買われ、英国の欧州連合(EU)離脱ショックで2395円安値まで突っ込んだが、触覚ミドルウェアの提供開始、スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>(東1)との包括ライセンス契約、シャープ<6753>(東2)の同社の音声ミドルウェア採用などの好材料発表が相次ぎ、また任天堂の「ポケモンGO」人気も波及してほぼ急落幅を埋めた。足元では、任天堂の株価波乱とともに下値を探っているが、25日移動平均線を前に下げ渋り目先調整一巡感を示唆しており、高値奪回から上値チャレンジに再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)