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セキドは下値固め完了、17年3月期黒字化予想で美容分野や中古品販売も強化
- 2016/7/28 07:56
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
セキド<9878>(東2)は海外ブランド品などを扱うファッション専門店チェーンを展開している。17年3月期黒字化予想で、美容分野「マスク・シート」や中古品販売も強化する。営業損益は改善基調である。株価は下値固めが完了して反発展開だろう。
■ファッション専門店事業を展開
12年10月に家電の店舗販売事業から撤退してファッション専門店事業に経営資源を集中し、海外ブランド品などを扱うファッション専門店「GINZA LoveLove」「Super Select Shop LoveLove」を直営で展開している。
14年7月にラオックス<8202>と業務提携し、ネット通販についてはストリーム<3071>と業務提携している。訪日外国人旅行客のインバウンド需要対応で15年6月から既存23店舗すべてで免税販売を開始した。
収益力強化に向けた中期成長戦略として「GINZA LoveLove」ブランディング強化、インバウンド対応強化、既存店リニューアルやオペレーション効率化、小売法人向け商品供給や販売業務委託事業の強化、EC事業の強化などを推進している。さらに輸入総代理店となった美容分野「マスク・シート」拡販、新品販売への相乗効果も狙ったブランド品の中古品販売やレンタル分野も強化する方針だ。
■美容分野「マスク・シート」やブランド中古品買取・販売も強化方針
美容分野として、韓国および中国でヒット商品となっている「マスク・シート」の輸入総代理店となり、16年3月に「LEADERS(リーダース)」直営1号店となるLEADERS札幌ノルベサ店(札幌市中央区)をオープンした。今後は卸売を中心に業容を拡大させる方針だ。
また一部店舗で新たにブランド中古品の買取・販売を開始した。新品を扱う店舗とは別の屋号「eASRER(イースター)」で展開し、アライアンス戦略も活用して業容を拡大させる方針だ。さらにブランド品レンタル事業への進出も検討しているようだ。
16年4月「GINZA LoveLove」イオンモール熱田店(名古屋市熱田区)をオープンし、16年4月末店舗数(LEADERS札幌ノルベサ店含む)は合計24店舗(関東12店舗、東海5店舗、東北2店舗、甲信越・北陸2店舗、近畿2店舗、北海道1店舗)となった。
■個人消費の影響を受け、クリスマス商戦など季節要因も強い収益構造
四半期別の業績推移を見ると、15年2月20日期は売上高が第1四半期24億円、第2四半期21億99百万円、第3四半期20億74百万円、第4四半期34億95百万円、営業利益が69百万円の赤字、1億63百万円の赤字、1億91百万円の赤字、2億63百万円の赤字、16年3月20日期(決算期変更で第4四半期が4ヶ月)は売上高が22億68百万円、25億26百万円、21億10百万円、36億95百万円、営業利益が1億03百万円の赤字、56百万円の赤字、1億03百万円の赤字、28百万円の赤字だった。
個人消費の影響を受けやすく、クリスマス商戦などの季節要因も強い収益構造である。16年3月20日期(13ヶ月決算)は個人消費低迷やインバウンド需要一巡の影響、一部店舗の固定資産に係る減損損失計上などで計画を下回ったが、15年2月20日期との比較では赤字が縮小した。
新規出店は「マスク・シート」を販売する「LEADERS(リーダース)」1店舗、閉店は2店舗だった。売上総利益率は23.2%で1.3ポイント上昇、販管費比率は25.9%で2.8ポイント低下した。自己資本比率は39.8%で0.1ポイント上昇した。配当は無配を継続した。
セグメント別に見ると、ファッション部門は売上高が101億90百万円で営業利益が1億46百万円だった。インバウンド対応として直営店での免税販売体制を強化し、新規顧客獲得とリピーターの増加に向けて低価格・高品質商材の投入などの施策を推進した。また費用対効果の高い販促施策として、チラシ中心の販促からモバイル販促やSNS販促へのシフトを加速させた。賃貸部門は駐車場のリテール賃貸が順調で売上高が1億80百万円、営業利益が58百万円だった。その他は太陽光発電施設の大口案件などで売上高が2億27百万円、営業利益が0百万円だった。
■17年3月20日期(12ヶ月決算)は黒字化予想
今期(17年3月20日期、12ヶ月決算)の非連結業績予想(5月6日公表)は売上高が97億40百万円、営業利益が1億円、経常利益が40百万円、純利益が10百万円の黒字化予想としている。早期の業績回復を目指し、資産入れ替えによる収益力の強化、経営効率の改善、コスト構造のさらなる見直しに取り組み、黒字転換を図るとしている。
ファッション事業においては、大型ショッピングモールへの出店を再開するとともに、商品在庫と人材を個々の店舗の戦略に合わせて配分し、費用対効果の高い販促策を実施する。急成長しているEC部門では、実店舗との販促企画および販促商材を共有するメリットを最大限に生かしてリピーターの獲得に努める。またコスト構造の見直しについては、営業面での販促戦略コスト削減に加えて、間接コストの見直しによる削減を行うとしている。配当予想は無配継続としている。
■決算期変更で株主優待の基準日変更
なお決算期変更(事業年度の末日を毎年2月20日から毎年3月20日に変更)に伴って株主優待制度の基準日を変更した。変更後は毎年3月20日および9月20日現在で1000株以上所有株主に対して実施する。ただし前期(16年3月20日期)は経過期間として変則決算(13ヶ月決算)のため、前期に限っては9月20日ではなく8月20日とした。
優待内容については変更なく、1000株以上所有株主に対して一律「株主ご優待券5%割引券」5枚、3000株以上所有株主に対して「1000株あたり500円のお買い物券+株式数に応じたお買い物券」を贈呈する。2年以上継続保有の株主に対しては「お買い物券」が上乗せされる(詳細は会社ホームページ参照)。
■株価は下値固め完了して反発
株価の動きを見ると、地合い悪化の影響で6月24日に年初来安値となる71円まで下押したが、その後は切り返しの動きを強めている。7月27日は83円まで上伸した。
7月27日の終値82円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS71銭で算出)は115倍近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS164円98銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約12億円である。
週足チャートで見ると戻りを押さえていた13週移動平均線突破の動きを強めている。下値固めが完了して反発展開だろう。(日本インタビュ新聞アナリスト水田雅展)