【注目銘柄】チノーはミニゴールデンクロスを示現、好業績予想で割り負け

注目銘柄

 チノー<6850>(東1)は、ミニゴールデンクロスを示現。好業績予想で割り負け、配当利回り妙味が増す銘柄として注目したい。

 同社は、この8月1日に創立80周年を迎える。計測・制御・監視の分野をビジネスドメインとして広く産業界の発展に貢献することを基本に活動している。温度センサをはじめ、計測・制御・監視に関わる各コンポーネントを自前でそろえ、顧客の要望に沿ったトータルエンジニアリングを提供している。同社は永年にわたり燃料電池開発に必要な評価試験装置を数多く提供。水素社会に関わる新製品の開発と新事業の展開に注力している。

 今2017年3月期は、次なる成長・発展に向けてスタートした「中期経営計画」の最終年度。国内においては「水素社会」に対応した需要開拓を本格化し、新センサ及び新システムを提案しているほか、市場構造と顧客の変化に対応して営業拠点の再配置を行い、「東日本支店」を新たに発足。販売網を強化するとともに販売・サービスの一体営業を一層推進し、新規顧客の拡大と既存顧客の深耕に取り組んでいる。計装事業においてはコア技術の標準化より、用途別計装を整備し需要拡大を目指すとともに、更なるコスト構造の改善に取り組んでいる。海外においては、拡大するサービス需要に対応するため、体制整備と現地生産品目の拡充による地産地消を一層進め、海外売上比率30%以上を目指し積極的に取り組んでいる。

 前16年3月期業績実績は、売上高が194億9600万円(前の期比0.9%減)、営業利益が6億2400万円(同5.4%増)、経常利益が6億6500万円(同25.7%減)、純利益が3億0300万円(同23.2%減)に着地。

 通期業績予想は、売上高が203億円(前期比4.1%増)、営業利益が9億4000万円(同50.5%増)、経常利益が8億5000万円(同27.6%増)、純利益が4億7000万円(同54.9%増)を見込んでいる。配当予想は期末一括35円を予定している。

 株価は、3月28日につけた年初来高値1122円から6月24日の年初来安値890円まで調整を挟んで7月11日高値1068円と上昇。その後、モミ合っているが、ミニゴールデンクロスを示現し、出直る気配となっている。産業技術総合研究所(茨城県つくば市)と半導体材料などの熱処理で用いられるセ氏1000度付近の高温域で、温度を高精度に測定できる温度計を共同開発したことが注目されるほか、今3月期回復が見込まれており、8月9日に予定される第1四半期決算の発表に期待感がある。PBR0.64倍と割り負け、配当利回り3.4%と利回り妙味もソコソコあり、水準訂正に進むか注目したい。(N)

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