【編集長の視点】きちりは4連騰、長野県との連携協定締結で急騰再現思惑が増幅

編集長の視点

きちり<3082>(東1)は、8円高の700円と4日続伸して始まっている。前日21日大引け後に長野県との戦略的連携協定の締結を発表、体脂肪計メーカーのタニタなどとの提携による新業態店の出店をテコにしたかつての株価急騰劇の再現思惑を強めて買い増勢となっている。昨年9月に取締役会決議した自己株式取得による市場買い付けが続いていることや、今年2月6日に今6月期第2四半期(2Q)累計業績の発表を予定していることも株価の押し上げ期待を高めている。

■今年3月に“長野の長寿食”を提供する新業態店をオープン

長野県との連携協定は、県民の平均寿命が男女とも全国1位となり、高齢者の就業率、医療費などでも全国トップレベルにある健康長寿県として注目されている長野県と、食を通じた健康長寿発信をすることを目的にしており、JR長野駅に直結した駅ビル「MIDORI長野」内に“長野の長寿食”と銘打った料理を提供する「長野県長寿食堂」を今年3月7日にオープンさせる。店舗コンセプトの詳細は、1月23日に予定している協定締結式で発表する。

同社株は、2011年11月に“メタボ社員ゼロ”を実現した社員食堂の料理レシピ本がベストセラーとなった体脂肪計メーカーのタニタ(東京都板橋区)と提携し、同レシピをメニューとする新業態店「丸の内タニタ食堂」を新規オープンすることを材料に株価が急騰し、その後もイタリアのオロビアンコ社、農事組合法人・福栄組合(福岡県久留米市)などと業務提携して新業態店をオープン、そのたびごとに株価は好感高しており、長野県との提携にも期待を高めている。

一方、同社の今6月期業績は、積極的な店舗政策などにより増益転換が予想され、売り上げ75億円(前期比8.5%増)、経常利益7億円(同35.8%増)、純利益4億2000万円(同41.9%増)と見込まれている。2Q累計業績も、2ケタの増益転換が予想されており、2月6日の決算発表動向が注目される。

また自己株式取得は、昨年11月に上限を15万株(発行済み株式総数の1.47%)、取得総額1億円、取得期間を今年3月31日までとして決定され、昨年12月31日までに7万2600株、4831万円の市場買い付けを行っており、今後とも好需給材料となる。

■自己株式取得も支援しPER16倍台の割り負け内需株買いが増勢

株価は、昨年末を基準日とした株式分割(1対2)の権利落ち後安値411円から東証第1部指定替え・同記念増配、今期業績の増益転換予想、自己株式取得などの好材料が続いて権利落ち後高値1064円まで買い進まれ、半値押し水準を固める動きを続けてきた。PER16倍台の割り負け内需株人気を高めて一段の戻りを試そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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