【編集長の視点】グローバルグループは反落も3Q決算発表を前に小池都知事関連の政策期待がオンし割安直近IPO株買いが再燃余地
- 2016/8/3 10:33
- 編集長の視点
グローバルグループ<6189>(東マ)は、91円安の2660円と4営業日ぶりに反落して始まっている。きょう3日に日経平均株価が、海外株安や円高進行が響き252円安と続落してスタートし、東証マザーズ指数も、4営業日に反落していることから、同社株にも目先の利益を確定する売り物が先行している。
ただ今年3月18日に新規株式公開(IPO)された同社株の下値には、8月10日に予定されている今9月期第3四半期(2015年10月~2016年6月期、3Q)決算の発表を前に、業績期待を高め今9月期通期業績の大幅増収増益を手掛かりに割安直近IPO株買いが交錯している。また、7月31日に投開票された東京都都知事選挙で「待機児童ゼロ」を公約の一つとした小池百合子候補が当選し新知事に就任し、前日2日に閣議決定された経済対策で働き方改革の一角で保育士の給与引き上げが、盛り込まれたことなども政策メリット関連人気を高めそうだ。
■2Qも14施設を新規開設し「キッズデザイン賞」受賞など評価高まる
同社の今9月期業績は、売り上げ93億2500万円、営業利益2億9500万円、経常利益17億3900万円、純利益13億6800万円と予想され、昨年10月に株式移転により設立される以前のグローバルキッズの前2015年9月期業績に対しては売り上げが34.8%増、営業利益が13.4倍、経常利益が54.1%増、純利益が2.55倍と大幅増収増益となる。首都圏を中心に運営している認可保育所と独立認定保育所の新園開発が、2011年9月期の14施設以来、15施設、15施設、19施設と毎期10施設以上と積極継続され、施設数が84施設に達し、さらに今期第2四半期(2015年10月~2016年3月期、2Q)には14施設の開設準備が整い、4月1日に保育施設13施設、学童クラブ1施設を新規開設した。
この施設のうち「グローバルキッズ飯田橋園・飯田橋学童クラブ・飯田橋こども園」は、キッズデザイン協議会が主催(後援:経済産業省、消費者庁)する「子どもが安全に暮らす・感性や創造性豊かに育つ」などをポイントに選考する「第10回キッズデザイン賞」を今年7月8日に受賞するなど高評価を受けており、同社施設の定員充足率が安定的に推移する要因となっており、補充保育士の人件費増や運営費用などを吸収し業績が続伸する要因となっている。8月10日の3Q決算発表で、9月通期予想業績に対してどのような利益進捗率を示すか注目されている。
■PER14倍台の割安修正に「待機児童ゼロ」政策もフォローし上場来高値も視野
株価は、厚生労働省が、待機児童解消に向け緊急取組策を明らかにしたことを手掛かりに上場来高値3655円まで買い進まれて公開価格2000円に対して8割超高したが、その後は、全般相場の波乱とともに上場来安値2262円へと調整した。同安値からは、参議院選挙を前にした安倍内閣の「ニッポン一億総活躍プラン」の子育て支援策関連で2880円高値をつけ、「キッズデザイン賞」受賞と東京都知事選挙の先取りで2858円高値をつけ上下500円幅のボックス往来を続けてきた。PERは、14倍台と同業他社に比べて割り負けており、「待機児童ゼロ」、「保育士給与引き上げ」などの政策恩恵も加わりボックス上限抜けから上場来高値奪回も視野に捉えよう。(本紙編集長・浅妻昭治)