【株式評論家の視点】バーチャレクスはCRM再構築をワンストップで提供、公開価格割れは値ごろ感

株式評論家の視点

 バーチャレクス・コンサルティング<6193>(東マ)は、本年6月23日に東京証券取引所マザーズ市場に上場。「コンサルティング(=戦略や計画の策定力)」、「テクノロジー(=ITソリューションの開発力)」、「アウトソーシング(=業務の実行力)」の3つのノウハウを合わせ持ち、これらを活用することで、多様化する顧客との接点(チャネル)を通じた企業のCRM(顧客情報管理)再構築を、ワンストップでトータルに支援している。

 具体的には、戦略策定や計画策定等の上流工程及び継続的な業務実施・運用を支援する「コンサルティングサービス」、コンサルティングやプロセス運営で培った知見をITソリューションとして形にした「CRM製品提供」、企業のCRM基盤を戦略的かつ効率的に支えるための「CRM ITサービス」、さらには実際の顧客接点業務を企業と共同あるいは請け負って実行する「CRMプロセスサービス」を、シームレス(継ぎ目なく)にシナジーをもって提供している。

 今2017年3月期第2四半期業績予想は、売上高が19億円(前年同期比4.6%減)、営業利益が8100万円(同39.4%減)、経常利益が8000万円(同38.0%減)、純利益が4800万円(同40.9%減)を見込む。

 通期業績予想は、売上高が42億3100万円(前期比9.5%増)、営業利益が3億5300万円(同37.2%増)、経常利益が3億5000万円(同39.6%増)、純利益が2億2900万円(同9.7%減)を見込む。繰り延べ税金資産の計上で前期の税負担が軽かったため、純利益は減益予想。上場で調達した資金はソフト強化のための開発費に充当し、当面は無配の見通し。

 株価は、6月23日の上場日に公開価格1090円を13.3%上回る1235円で初値をつけ、翌24日安値965円と急落した後、7月11日に上場来高値1986円と上昇。8月3日安値1020円と調整し、ほぼ往って来いとなっている。CRM(顧客情報管理)再構築を上流のコンサルティングやソフト開発から下流のコールセンター運営までワンストップで提供できるのが同社の強み。ビッグデータの活用などに向けてサービスの引き合いは強く、高い成長が期待できる。今期予想PER13倍台の水準で、公開価格の1090円割れが底値として意識されており、値ごろ感はある。今月10日に発表が予定される第1四半期決算が順調に推移していれば、リバウンド相場入りが十分期待されそうだ。(株式評論家・信濃川)

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