【編集長の視点】ファーストブラザーズは連続最高業績と63億円の含み益を再評価して超割安株買いが再燃し急反発

 ファーストブラザーズ<3454>(東マ)は、59円高の1321円と急反発して始まっている。今11月期業績の連続最高更新予想を再評価し、また今期第2四半期(2015年12月~2016年5月期、2Q)期末の賃貸不動産に63億円の含み益があり業績高成長を支えることも手掛かりに超割安株買いが再燃している。テクニカル的にも英国の国民投票で欧州連合(EU)離脱が決定し、このショック安の発表で1030円まで突っ込み、今年2月につけた年初来安値975円目前となったが、最安値後は年初来高値1564円まで6割高しており、急騰再現期待を高めている。

■不動産売却売り上げを約125億円計画し2Q保有賃貸不動産もなお含み益

 同社の今2016年11月期業績は、売り上げ124億8200万円(前期比2.73倍)、営業利益30億5200万円(同7.8%増)、経常利益27億7800万円(同4.5%増)、純利益16億8100万円(同1.2%増)と連続した過去最高更新が予想されている。同社は、不動産私募ファンドの共同投資(セイムボ-ド投資)を行う投資運用事業と、自己勘定で賃貸不動産からの賃料収入を獲得する投資銀行事業を主力事業としているが、両事業でセイムボード投資と賃貸不動産の取得を積極継続、不動産売却売り上げを124億8200万円と予定していることから売り上げが、前期比2.7倍と急増し、売却関連の手数料や賃貸不動産の賃料収入が増加することなどが、連続最高業績更新の要因となる。

 この賃貸不動産の売却は、今年7月8日に発表した今期2Q累計業績でも71億300万円に達して売り上げが84億5400万円(前年同期比2.76倍)と伸びる要因となった。利益は、案件売却が上期偏重であった前期に対して、今期は上期・下期に分散することから、営業利益17億2700万円(同27.1%減)、経常利益15億3700万円(同29.9%減)、純利益8億5300万円(同31.1%減)と落ち込んだが、11月通期業績は、期初予想を据え置いた。なお2Q期末の投資銀行事業の簿価230億円には63億円の含み益が存在し、適切なタイミングで含み益を利益として実現する方針であり、同社業績の高成長要因となる。同社は、10年後の目標として売上総利益を100億円(前期実績39億8900万円)、東証第1部への市場変更をあげており、実現可能性が高まる。

■PER5倍台、PBR約1倍の超割安修正でまず年初来高値奪回へ

 株価は、昨年2月に公開価格2040円でIPOされ2090円で初値をつけ、業績上方修正などを手掛かりに上場来高値3265円まで買い進まれたが、全般相場の相次ぐ波乱が響いて下値を探り、今年1月の日銀のマイナス金利導入の反動で上場来安値975円に突っ込み、3月にいったん1564円までリバウンドしたが、「英国のEU離脱ショック」で1030円まで再調整、25日移動平均線水準での中段固めを続けている。PERは5倍台、PBRは1倍ソコソコとなお下げ過ぎは歴然であり、3月の年初来高値1564円抜けから戻り相場に拍車を掛けよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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