【株式評論家の視点】インソースは医療業界向け研修に期待、押し目買い妙味膨らむ

株式評論家の視点

 インソース<6200>(東マ)は、本年7月21日に東京証券取引所マザーズ市場に上場した。同社は、同社並びに同社の連結子会社であるミテモ株式会社(出資比率100%)と、非連結子会社であるINSOURCE HONG KONG LIMITED(出資比率100%)から構成されており、研修をはじめとする社会人向け教育サービスの提供を主たる事業としている。

 同社は、ますます顧客ニーズが高まる若年層向けのスキルアップと働く意欲の醸成に焦点を当てた研修の提案や、職場のダイバーシティ化を推進するためのプログラム開発などに注力し、今の組織課題に即した教育サービスの提供に努めているほか、講師派遣型研修に加えて、公開講座を利用した個別人材育成策を提案し、企業向け割引パックの拡販を行うとともに、人事サポートシステム「Leaf」を活用した人材育成マネジメントを提案することで、総合的な人材育成プランの提供を推進している。

 同社が昨年4月1日から本年3月31日までに実施した9,854回の企業内研修と3,110回の公開講座のアンケート集計で、取引先の内容評価は大変理解できたが94.7%、講師評価も大変良かったが94.0%と高い評価を得ている。

 7月29日に発表済みの今2016年9月期第3四半期業績実績は、売上高が20億1900万円、営業利益が3億5900万円、経常利益が3億5700万円、純利益が2億2400万円に着地。

 通期業績予想は、売上高が27億9700万円(前期比15.5%増)、営業利益が4億0500万円(同1.1%増)、経常利益が4億0500円(同1.9%増)、純利益が2億5400万円(同7.0%増)を見込んでいる。配当は期末一括4円を予定している。

 株価は、7月21日に公開価格520円を55.8%上回る810円で初値をつけた後、同26日高値1092円と上昇。7月29日安値690円と短期調整。その後、750円を挟んで下値モミ合いとなっている。

 中長期では、医師不足、看護師不足が慢性的に課題となっている一方で、医療機関の間での顧客獲得競争は激しさが増す、医療業界向け研修が高く伸びると期待される。足元の業績は好調で、第3四半期営業利益は通期計画に対する進捗率が88.6%と順調に推移しており、通期業績予想の上方修正を視野に入れている。日柄調整が進めば十分上値を試す余地があり、押し目買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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