【編集長の視点】フリューは業績上方修正で最高純利益を伸ばし割安修正買いが拡大しで続伸

 フリュー<6238>(東1)は、60円高の3090円と続伸して始まっている。今年8月10日に今3月期第1四半期(2018年4~6月期、1Q)決算の開示とともに、第2四半期(2016年4~9月期、2Q)累計業績と3月通期業績の上方修正を発表、通期純利益が連続過去最高の更新幅を伸ばすことが割安修正買いの増勢につながっている。株価水準が、昨年12月の新規株式公開(IPO)時の公開価格3200円を下回っていることも、下げた株ほど良く戻すとする「リターン・リバーサル買い」の要因となっている。

■新プリントシール機のフル稼働でプレイ回数が伸びシール紙販売が好調

 業績上方修正のうち3月通期業績は、売り上げを期初予想の据え置きとしたが、営業利益を3億5200万円、経常利益を3億200万円、純利益を2億2200万円それぞれ引き上げ、純利益は、27億7700万円(前期比12.7%増)と前期の過去最高を連続更新する。同社は、主力事業のプリントシール機の国内稼働台数が、前期末で6091台と業界トップで、年間プレイ回数も4000万回を超え、プリントシール機で撮影した画像をスマートフォンなどのモバイル端末で取得できる閲覧サービス「PicTLINK(ピクトリンク)」の有料会員数も前期比5万人増の161万人と続伸しており、前期発売のプリントシール機「KATY(ケイティ)」、「HIKARI(ヒカリ)」を中心にプレイ回数が拡大してシール紙販売が好調に推移し、キャラクタ・マーチャンダイジング事業では、アミューズメント施設のクレーンゲーム向けにキャラクター商品も売り上げを伸ばしたことなどが要因となった。

 なお上方修正幅は、第3四半期以降の市場動向が不透明として9月通期売り上げを据え置き、通期利益の上方修正幅も2Q累計業績の上方修正幅より小幅にするなど慎重に予想しているだけに、決算期進行とともに業績の再上方修正期待が高まる展開も想定される。また今期通期配当は、未定としているが、少なくとも前期年間配当の75円の継続は有力視される。

■PERはなお10倍台評価にとどまり公開価格抜けから最高値奪回を目指す

 株価は、公開価格3200円に対して3220円で初値をつけ3320円高値まで上値を伸ばしたが、2479円安値まで売られる限定的なIPO人気となった。今年に入っては、3月に期末の配当催促で上場来高値3340円まで買い直されたものの、今期の連続最高予想業績は市場コンセンサスを下回るとして買い材料として不発となり、全般相場の度重なる急落とともに上場来安値2317円へ再調整した。今回の業績上方修正で利益は市場コンセンサスを上回ってきたとして再騰しているが、PERはなお10倍台と下げ過ぎを示唆している。公開価格抜けから最高値を奪回し、さらに上値を伸ばす展開が続こう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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