【編集長の視点】ハウスドゥは続落も減益転換予想を織り込み積極的な中期経営計画を再評価して下げ過ぎ訂正余地

 ハウスドゥ<3457>(東マ)は、75円安の1153円と4日続落して始まり、連日の株式分割権利落ち後更新となっている。今2017年6月期業績が、前期の最高業績から減収減益転換と予想し、市場コンセンサスを下回ったことから窓を開けて急落して下値模索となっているが、8月22日に発表した中期経営計画で来2018年6月期には増収増益転換し過去最高更新を経営数値目標に掲げたことを評価して下げ過ぎ訂正買いが再燃する展開も想定される。民泊関連事業を準備し人工知能(AI)を活用した不動産担保ローンの提供を開始するなど積極的に成長戦略を推進していることも、合わせて見直される可能性も強い。

■来期純利益は27%増と増益転換し来々期純利益は今期予想比5割増を目指す

 同社の業績は、前2016年6月期業績については第2四半期累計業績、6月通期業績を相次いで上方修正し連続大幅増収増益で着地し過去最高を更新したが、今2017年6月期業績は、売り上げ163億2200万円(前期比5.5%減)、営業利益12億4700万円(同2.3%増)、経常利益11億円(同6.9%減)、純利益7億1500万円(同3.5%減)の減収減益転換と予想、利益は、市場コンセンサスを3億円~2億円下回った。

 前期業績は、フランチャイズ事業の売り上げが18億8000万円(前々期比24.8%増)、不動産事業では、不動産売買事業の売り上げが89億4900万円(同46.5%増)と続伸し、とくに不動産売買事業のセグメント利益が8億9100万円(同2.07倍)となって最高業績を連続更新したが、今期は、不動産売買事業で不動産価格の上昇や金融市場の混乱などに影響を受ける都市部を中心に投資用不動産や高価格帯商品のリスクを慎重に想定、キャピタルゲイン目的の不動産投資事業の売り上げを78億4200万円、セグメント利益を6億7500万円と保守的に見積もり、経営資源をストック型収益事業のフランチャイズ事業とハウス・リースバック事業の伸長に集中することが要因となる。

 一方、中期経営計画は、不動産流通、リフォーム、売買の三位一体の従来型サービスを維持しつつ、AIとフィンテックを活用した不動産担保ローンなどを通じて不動産金融領域にも成長戦略を進め、数値目標として来2018年6月期純利益は、9億1000万円の今期予想比27.2%増と増益転換、来々2019年6月期純利益は11億500万円の今期予想比54.5%増と連続の過去最高更新を目指す。

■分割権利落ち安値水準は25日線から26%超のマイナスかい離でPERも13倍台

 株価は、2015年3月の新規株式公開(IPO)以来、2015年6月、今年3月と2回にわたり株式分割を実施、2回目の株式分割では3875円で権利を落とし、前期通期業績の上方修正や業務提携、旅館事業の運営準備開始などの好材料続出で落ち後高値2710円まで買い進まれたが、今期業績の減益転換予想が響いて落ち後安値まで急落、底値模索となっている。25日移動平均線からは26%超のマイナスかい離、PERは13倍台と下げ過ぎを示唆しており、中期計画への前向き評価が加わり底上げ転換が近そうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)

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