【株式評論家の視点】ソラストは業績好調で株主還元率の高さが魅力

株式評論家の視点

 ソラスト<6197>(東1)は、本年6月29日に3月日に東京証券取引所1部市場に上場した。同社の前身である日本医療事務センターは、1965年に日本初の医療事務教育機関として創業。その後、診療報酬請求事務をはじめ、医療機関の受付、会計などの医療事務全般の受託へと業務範囲を拡大。1999年に介護、2002年に保育分野へ事業領域を拡大。今日では、全国で約25,000人の社員(約90%が女性)が医療事務、介護、保育の仕事に携わっている。

 「医療事務・介護をもっと新しく。働く女性をもっと美しく。」というビジョンのもと、人材採用の強化、ICT(情報通信技術)の活用推進、M&Aを核に成長戦略を推し進めている。人材採用の強化では、年間6,000人以上を採用、AI(人工知能)の活用などによって、「人材採用力」とキャリア支援を強化している。ICT(情報通信技術)の活用推進では、センサー、電子パッド、AIなどICTのツールを、医療事務・介護の現場で積極的に活用している。M&Aで、成長のスピードと効率性を両立するM&A手法を積極的に活用して事業の拡大を推進している。

 8月5日に発表済みの今2017年3月期第1四半期業績実績は、売上高が160億4300万円(前年同期比2.9%増)、営業利益が8億2700万円(同25.8%増)、経常利益が7億8500万円(同18.4%増)、純利益が5億0400万円(同40.1%増)に着地。

 通期業績予想は、売上高が663億9100万円(前期比5.3%増)、営業利益が36億円(同8.7%増)、経常利益が35億0800万円(同6.0%増)、純利益が23億1300万円(同16.0%増)を見込んでいる。配当は41円(第2四半期末20円、期末21円)を予定している。

 株価は、6月29日に公開価格1300円を下回る1220円で初値をつけた後、7月4日高値1306円と上昇。8月23日安値912円と調整。その後、1000円を挟んでモミ合っている。介護事業を医療事業に並ぶ収益の柱にするためM&Aを加速する方針で、成長が期待されるほか、配当性向50%を目安としており、株主還元率は高い。第1四半期営業利益は第2四半期計画に対する進捗率は52%と順調に推移。今期予想PER12倍台と割安感があり、配当利回りも4.0%と利回り妙味も増す。調整一巡感が出ており、リバウンド相場入りが期待されそうだ。(株式評論家・信濃川)

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