【狙い場・買い場】電気化学の今期2ケタ増益、株主重視で増配、利回り2.6%、インフルエンザ関連人気も

狙い場・買い場

電気化学<4061>(東1)は、461円と1カ月ぶりに昨年来高値を更新している。ミニゴールデンクロスを示現、チャートもよくなっている。

エラストマー・機能樹脂(クロロプレンゴム、アセチレンブラック、スチレン系合成樹脂、スチレンモノマ一、アセチル系化成品)、インフラ・無機材料(セメント、コンクリート用特殊混和材、肥料、無機材料)、電子・先端プロダクツ(電子部品用包装材料、機能性セラミックス、電子回路基板、放熱材料、接着剤など)、生活・環境プロダクツ(建築・土木・産業用樹脂成型材料、食品包装材料、医薬品など)を手がけている。

再スタートを切った「DENKA100」の2年目である今年度も昨年度に続き「生産体制の最適化」と「成長分野への資源集中」「次世代製品開発」の具体的施策を実行している。

足元の業績は、今2015年3月期第2四半期売上高が1868億7000万円(前年同期比3.0%増)、営業利益が94億1000万円(同10.2%減)、経常利益が94億1200万円(同11.6%減)、純利益が75億2300万円(同0.9%増)に着地。電子・先端プロダクツ製品などの販売増や円安メリットがあったが、原燃料価格高騰分の価格転嫁遅れ、プラント定修、営業費・研究費増等により、前年比増収減益。消費増税後の4-6月期営業利益は28億9000万円(前年同期比44.9%減)だったが、7-9月期営業利益は65億2000万円(前年同期比24.6%増)と回復している。

電子・先端プロダクツ部門で電子部品・半導体搬送資材用機能フィルムやLED用サイアロン蛍光体「アロンブライト」が好調に推移したほか、電子回路基板も電鉄向けを中心に好調に推移したため、第2四半期累計としては増収を確保、純利益の段階では当初計画を5億円強上回り順調だ。

通期業績予想は、売上高が4000億円(前期比6.2%増)、営業利益が250億円(同17.8%増)、経常利益が235億円(同14.1%増)、純利益が180億円(同32.6%増)を見込んでいる。

年間配当は12円(同2円増)を予定している。

エラストマー・機能樹脂と電子・先端プロダクツの上振れに対して、インフラ・無機材料の下ぶれなどセグメントによって強弱はあるが、全体では期初計画を達成できる見通し。

株価は、週足一目均衡表転換線がサポートする形で上昇トレンドを継続している。「DENKA100」の最終成果である収益について、株主への配分を定めた「株主還元方針」を策定。総還元性向50%を基準(配当性向最低30%+安定配当)を掲げ、自社株買いも機動的に行う予定で、株主を重視した姿勢は注目される。

ここへきてインフルエンザの流行で、子会社デンカ生研が検査薬を手がけていることが見直される可能性もあるほか、今期予想PER11倍台と割安感があり、配当利回り2.6%と利回り妙味もソコソコある。2010年高値477円突破から一段と騰勢を強めそうだ。(N)

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