トヨタは本社工場内に定置式の純水素燃料電池を活用したゼロエミッションビルを建設

「図=エネルギー管理棟におけるエネルギーマネジメントシステム(イメージ)」

■商用運用を開始した初の事例

 トヨタ自動車<7203>(東1)は、愛知県豊田市の本社工場敷地内に2016年8月に竣工したエネルギー管理棟に、定置式の純水素燃料電池を導入し、9月12日から運転を開始した。今回導入した定格出力3.5kWの純水素燃料電池は、小規模オフィス向けに新たに開発されたもので、商用として運用を開始した初の事例となる。

■建物でのCO2排出量ゼロを目指し、エネルギー最適運用の実証を開始

 具体的には、空調・照明を一人一人が入切できるようにして節電を促すとともに、自然光や自然換気を最大限利用した省エネ対策等を導入し、エネルギー消費量のミニマム化を図る。その上で、定格出力3.5kWの定置式の純水素燃料電池と、太陽光発電、プリウスの使用済みバッテリーを再利用した蓄電池を組み合わせたエネルギーマネジメントシステムを導入する。

 このシステムでは、エネルギー管理棟でのエネルギー需要予測を行い、エネルギー効率の高い燃料電池を主に運転しながら、発電量が不安定な太陽光発電と蓄電池を組み合わせることにより効率的なエネルギー供給を実現する。また、燃料電池から出る廃熱は空調に利用する。これらの技術開発と実証により、CO2排出量ゼロを目指していく。

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