【株式評論家の視点】ピースリビングは上場による知名度の向上に期待感

株式評論家の視点

 ピースリビング<1437>(TPM)は、本年7月7日に東京証券取引所TOKYO PRO Marketに上場した。2007年創業の若い会社で、「お客様の〈住みたい〉を形に」を事業運営の理念とし、不動産賃貸物件の仲介・管理から売買仲介、中古物件のリフォーム、新築プロデュースを中心に、不動産に係るサービスを総合的に提供している。「すべてのお客様の笑顔のために」をモットーに掲げ、全てのお客様(入居者様、土地所有者様、取引先様など)の満足度を向上し、地域社会の発展に貢献することを目標としている。賃貸住宅事業、不動産売買事業及び建築事業を行っており、これらの事業をワンストップで展開していることが同社の強みとなっている。

 主に徳島市や藍住、北島両町で事業を展開。13年2月に新築デザイナーズマンション「Peace Square」シリーズのプロデュース開始。14年1月に徳島県内においてTVCMを放映を開始。15年9月に徳島南店(阿南市)を開店し、県南での事業を拡大。県西での事業展開を視野に入れている。将来的には東京や名古屋など都市部への出店を目指している。

 前2016年6月期業績実績は、売上高が14億7000万円(前の期比2.8倍)、営業利益が1億1600万円(同2.4倍)、経常利益が1億0200万円(同2.3倍)、純利益が6500万円(同2.8倍)に着地。

 今17年6月期業績予想は、売上高が20億7100万円(前期比40.8%増)、営業利益が1億0200万円(同11.7%減)、経常利益が8100万円(同20.8%減)、純利益が5200万円(同20.0%減)を見込んでいる。利益還元を重要な経営課題の一つと位置づけているが、経営基盤の強化と事業展開のために内部留保の充実を図り、財務体質の強化と事業拡大に充当するため、配当の実施及び時期については未定としている。

 株価は、上場初日750円で寄り付いた後は商いが成立していないが、今回の上場によって知名度の向上や信頼度が高まることで、取引先の拡大と金融機関の融資につながると期待される。新規株式発行による資金調達は行わないことから、流動性に難はあるものの、大きく下押す懸念はない。中長期的な視点で動向に注目したい。(株式評論家・信濃川)

 

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