ジオネクストは第三者割当増資と新株予約権発行、深読みすれば違った光景が見えてくる

株式市場 銘柄

 ジオネクスト<3777>(JQ)は9月21日、第三者割当による増資と新株予約権発行を発表した。一般的には希薄化が懸念される可能性もあるが、深読みすれば違った光景が見えてくる。資金調達による収益・財務基盤強化は、経営再建や中長期的な企業価値向上に向けた好材料と言えるだろう。23日以降の市場の反応が注目される。

 第三者割当による増資は払込期日10月24日、発行新株式数2380万株、発行価額30円、資金調達額7億14百万円である。第三者割当による第16回新株予約権発行は割当日・払込期日10月24日、新株予約権総数63万2000個=潜在株式数6320万株、発行価額1個当たり100円、行使価額1株当たり30円、資金調達額(最大)約19億59百万円(払込による調達額約63百万円、権利行使による調達額18億96百万円)である。いずれも10月21日開催予定の臨時株主総会の特別決議による承認を条件としている。

 調達資金(発行諸費用を差し引いた手取概算額約25億12百万円)の使途は、再生可能エネルギー事業資金20億84百万円、借入金返済資金4億27百万円で、調達資金投入後の再生可能エネルギー事業(発電所開発・売電・権利譲渡)における1株当たり営業利益の計画は16年12月期0.85円から17年12月期1.42円、18年12月期3.30円に拡大するとしている。

 現在の発行済株式総数約4139万株(14年12月発行第15回新株予約権のうち残存していた325個=3250万株は9月20日付で取得、9月21日付で消却)に対して、合計8700万株(本新株予約権が全て行使された場合)の新株を発行することになるため、一般的には大規模な希薄化が懸念される可能性がある。

 ただし、同社の現状や今後の事業戦略などの背景を深読みすれば違った光景が見えてくる。

 第一に、有価証券届出書提出によって東京証券取引所が今回の新株発行を認めたということになり、東京証券取引所によって同社の上場廃止回避にお墨付きが与えられたと解釈できる点である。同社は現在、上場廃止にかかる猶予期間入り銘柄に指定されているが、第2四半期累計(1~6月)の営業利益が16年12月期通期計画を上回る黒字となって上場廃止回避の目途が立っている。

 第二に、割当予定先に有利な発行条件とはいえ、総額26億73百万円という巨額の資金(発行諸費用を差し引いた同社手取概算額は25億12百万円)を投ずる投資家が存在するという点である。会社計画によると、調達資金投入後の再生可能エネルギー事業における1株当たり営業利益は16年12月期0.85円から17年12月期1.42円、18年12月期3.30円に拡大する。資金調達後の事業計画を評価し、同社の経営再建や中期成長を期待する投資家が存在するということだ。

 第三に、本新株予約権は取得条項によって、残存する新株予約権の全部または一部を同社が取得することが可能(割当日以降、終値が10取引日連続して行使価額の150%を上回った場合または50%を下回った場合)となっているため、引受先の新株予約権行使促進が見込まれる。

 第四に、今回の資金調達で収益基盤および財務基盤が強化されれば、金融機関等からの与信力向上・回復に繋がり、新規借入先開拓も可能になる。そして再生可能エネルギー事業にとどまらず、M&Aを含めてさらなる新規事業展開に繋がることが期待される。

 新株発行によって既存株主価値が一時的に希薄化するリスクはあるが、資金調達による収益・財務基盤強化は、経営再建や中長期的な企業価値向上に向けた好材料と言えるだろう。23日以降の市場の反応が注目される。

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