【編集長の視点】バーチャレクスは反落も相次ぐCRMソフト導入、最高業績を見直し逆張り妙味を示唆

 バーチャレクス・コンサルティング<6193>(東マ)は、30円安の857円と3営業日ぶりに反落して始まっている。欧米株安や円高進行できょう27日の日経平均株価が259円安、東証マザーズ指数も14ポイント安と続落してスタートしていることから、同社株も、今年9月2日につけた上場来安値841円を前に再度、下値を確認する動きとなっている。ただ同社株は、最安値をつけた2日から賃貸管理ビジネスのコンサルティングサービスを展開するオーナーズエージェント(東京都新宿区)が、同社のCRM(顧客管理システム)ソフト「inspirX(インスピーリ)」を導入することを決定したことを手掛かりにストップ高しており、下値にはこの再現を期待する買い物も続いている。今3月期業績が、連続過去最高更新と予想されていることも、逆張り妙味を示唆している。

■「インスピーリ」を不動産業界の顧客情報基盤として積極的に活用・推進

 「インスピーリ」を導入したオーナーズエージェントは、クライアントの不動産業者と入居者、物件のメンテナンスを担当する外注業者をつなぐ窓口業務を一手に引き受けるコールセンターを運営しており、従来のコールセンターサービスでは業務が多岐にわたり利用すべきシステムが多すぎてオペレーターの業務が煩雑となり、システム間の転記ミスなどが発生しており、「インスピーリ」は、こうしたサービスの問題点を解消、業務を簡略化しミスや対応遅れを防ぎコールセンター全体の対応品質の向上を可能にする。

 この最先端のCRMソフトは、顧客企業ごとのCRM戦略を策定するコンサルティング、ソフトウェアを開発・販売するテクノロジー、現場業務を受託するアウトソーシンングの3つのコアスキルを融合させワンストップで提供できる同社だからこそ実現できるもので、同社は今後も、「インスピーリ」を不動産業界における顧客情報基盤として積極的に活用・推進する。またこのほか同社は、今年7月に小規模コールセンター向けCRMサービス「inspirX Lite」、SBI証券(東京都港区)のコールセンター向けデータ分析可視化サービス「パフォーマンス・マネジメント・クラウド」の各提供も開始した。

 一方、同社の今3月期業績も好調で、売り上げ42億3100万円(前期比9.5%増)、営業利益3億5300万円(同37.2%増)、経常利益3億5000万円(同39.6%増)、純利益2億2900万円(同9.7%減)と予想され、純利益以外は過去最高を更新する。なお純利益が減益転換するのは、繰り延べ税金資産の計上で前期の税負担が軽減され、今期はこれが平準化する税法上の特殊要因による。

■PERは10倍台とIT関連株として超割安で再度の底上げに発進

 株価は、今年6月23日に公開価格1090円でIPOされ初値を1235円でつけ1382円高値まで買い進まれ、英国の「欧州連合(EU)離脱ショック」の波及で965円安値まで調整したが、同安値からは合計3回のストップ高を交えて上場来高値1986円まで買い進まれる高人気となった。その後の1160円安値からは「inspirX Lite」提供で1408円高値、1041円安値からは「パフォーマンス・マネジメント・クラウド」提供で1333円高値と各リバウンドし、東証マザーズ市場の人気離散で突っ込んだ上場来安値841円からは、「inspirX」提供でストップ高して1086円の戻り高値をつけ再度の底値確認を続けている。PERは10倍台とIT(情報技術)株として超割安であり、再度の底上げに発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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