【話題】パリ協定11月発効で環境関連が新たなテーマ

■パリ協定11月発効見込みとなり、環境関連が新たなテーマに浮上

 インド政府が10月2日、2020年以降の国際的な地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」を批准し、国連に批准書を提出した。日本は批准の見込みが立っていないが、温室効果ガス排出量世界1・2位の中国と米国は9月3日に批准を同時発表している。そしてEU(欧州連合)も、加盟28ヶ国の国内手続きを待たずに、EUとしての一括批准を優先する特例措置で、10月上旬の欧州議会での批准が予定されている。

 インドとEUの批准によって、締約国のうち55ヶ国以上が批准し、批准国の温室効果ガス排出量合計が世界の総排出量の55%以上に達するという、発効に必要な条件を満たすことになり、1ヶ月後の11月上旬に「パリ協定」が発効する見込みとなった。

 15年12月の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で採択された「パリ協定」では、世界共通の目標として、産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑え、さらに1.5度に収めるよう努力することを明記している。各国は自主的に温室効果ガスの排出削減目標を掲げ、5年ごとに見直す。

 「パリ協定」が正式に発効すれば、株式市場で環境対策関連がテーマ性を増してくるだろう。新鮮味に欠けるテーマとも言えそうだが、再生可能エネルギー関連やエコカー(ハイブリッド・電気・燃料電池自動車)関連を中心に、日本企業が強みを持つ省エネ技術のビジネスチャンスも増加することが予想され、株式市場で改めて注目度を増すことになりそうだ。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■環境要因は50%、漁獲圧は25%、状態空間モデルで初の定量評価  東京大学は11月1日、日本周辺…
  2. ■ドジャース、球団史上初の2年連続制覇  ロサンゼルス・ドジャースは、2025年MLBワールドシリ…
  3. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■金利環境改善が銀行株に追い風、逆張りの買いも有力視  今週の当コラムは、銀行株に注目することにし…
  2. ■「トリプル安」も怖くない!?逆張りのバリュー株ローテーションからは銀行株になお上値余地  「神風…
  3. ■気温急低下がシーズンストック相場発進を後押し  今週のコラムでは、バリュー株選好の別の買い切り口…
  4. ■「押し」のAI株より「引き」のバリュー株選好で厳冬関連株の先取り買いも一考余地  「押してだめな…
  5. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  6. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る