ワイヤレスゲートが産業用の「IoT」向けに高速・高セキュリティ通信を提供する新事業

■合弁新会社「LTE-X」2017年初頭をメドに商用サービス開始を予定

 ワイヤレスブロードバンドサービスを展開するワイヤレスゲート<9419>(東1)とベンチャー企業投資会社モバイル・インターネットキャピタル(東京都港区・代表取締役山中卓社長)は3日、産業用の「IoT」(すべての機器がネットでつながる)向けの高速通信プラットフォームを提供する新会社を設立し、2017年初頭をメドに商用サービスの開始を予定すると発表した。

 新会社名は「LTE-X」(エルティーイー・エックス、東京都品川区)。代表取締役CEOは池田武弘ワイヤレスゲート社長(写真)。設立日は2016年9月20日。出資比率はワイヤレスゲート51.0%、モバイル・インターネットキャピタル49.0%。

 IoTがこれから本格的な普及期を迎えるにあたり、多くの機器を通信で結ぶことが必要とされている。現在の市場では低容量データ通信を対象としたIoTプラットフォームは構築されつつあり、今後は、高速かつ大容量で高セキュリティにデータを扱えるプラットフォームが、産業用のIoT通信の分野を中心にニーズの高まりをみせることがすう勢になると予想される。

(集合写真は左から順に、テックビューロ株式会社・朝山さん、株式会社ハタプロ・伊澤さん、モバイル・インターネットキャピタル株式会社・代表取締役社長・山中さん、株式会社ワイヤレスゲート代表取締役CEO・池田さん、nCore Communications,Inc・ベザート・モヘビさん、NECネッツエスアイ株式会社・中川さん、株式会社アイランドシックス・江副さん、nCore Communications,Inc・中村さん)

 新会社は、高速かつ大容量で高セキュリティの通信プラットフォームを提供し、主な利用ターゲットは、工場、病院、セキュリティ、物流などの市場とする。プラットフォームのコアテクノロジーは、ワイヤレスゲートが出資する米国nCore Communications, Inc.が持つ「LTE over Wi-Fi(読み方:エルティーイー・オーバー・ワイファイ)」(LTEトネリング技術)を活用する。LTE over Wi-Fiは、Wi-FiアクセスポイントをLTE基地局のように動作させ、LTEネットワークが持つ機能をWi-Fi上で実現できる。これにより、LTEの基地局設置のための大規模な投資をすることなく、安価にプラットフォームを構築することが可能になる。なお、LTE-Xは「LTE over Wi-Fi」の利用において日本国内独占ライセンスを持つ。

 席上、池田武弘ワイヤレスゲート社長は、「この技術を使うことにより、Wi-FiとLTEの「いいとこ取り」が可能になる」「Wi-Fiは低コストだがセキュリティ面が相対的に劣り、LTEはセキュリティに優れるが高コスト、といった特性のいいところを併わせたプラットフォームが可能になる」などと話した。

 なお、新会社については、遠くない段階で社長の公募を行う予定とした。市場規模の可能性が無尽蔵な将来性に富む事業のため、本体で事業展開を行うのではなく、戦略的かつ速やかな事業展開を行うべく別会社にしたという。事業推進や財務基盤強化等を目的として、当初の資本金100万円(2016年10月3日現在)を、出資比率は現行のまま、今後段階的に2.5億円程度まで追加出資するとした。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■全従業員にAI活用徹底、業務改革を本格化  LINEヤフー<4689>(東証プライム)は7月14…
  2. ■50年以上親しまれたかぜ薬が国内市場から姿を消す?  大正製薬は7月14日、塗るかぜ薬「ヴイック…
  3. ■鈴鹿8耐で新型CBコンセプト登場  ホンダ<7267>(東証プライム)は7月11日、大型ロードス…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  2. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  3. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  4. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…
  5. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  6. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る