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ワイヤレスゲートが産業用の「IoT」向けに高速・高セキュリティ通信を提供する新事業
- 2016/10/4 09:10
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■合弁新会社「LTE-X」2017年初頭をメドに商用サービス開始を予定
ワイヤレスブロードバンドサービスを展開するワイヤレスゲート<9419>(東1)とベンチャー企業投資会社モバイル・インターネットキャピタル(東京都港区・代表取締役山中卓社長)は3日、産業用の「IoT」(すべての機器がネットでつながる)向けの高速通信プラットフォームを提供する新会社を設立し、2017年初頭をメドに商用サービスの開始を予定すると発表した。
新会社名は「LTE-X」(エルティーイー・エックス、東京都品川区)。代表取締役CEOは池田武弘ワイヤレスゲート社長(写真)。設立日は2016年9月20日。出資比率はワイヤレスゲート51.0%、モバイル・インターネットキャピタル49.0%。
IoTがこれから本格的な普及期を迎えるにあたり、多くの機器を通信で結ぶことが必要とされている。現在の市場では低容量データ通信を対象としたIoTプラットフォームは構築されつつあり、今後は、高速かつ大容量で高セキュリティにデータを扱えるプラットフォームが、産業用のIoT通信の分野を中心にニーズの高まりをみせることがすう勢になると予想される。
新会社は、高速かつ大容量で高セキュリティの通信プラットフォームを提供し、主な利用ターゲットは、工場、病院、セキュリティ、物流などの市場とする。プラットフォームのコアテクノロジーは、ワイヤレスゲートが出資する米国nCore Communications, Inc.が持つ「LTE over Wi-Fi(読み方:エルティーイー・オーバー・ワイファイ)」(LTEトネリング技術)を活用する。LTE over Wi-Fiは、Wi-FiアクセスポイントをLTE基地局のように動作させ、LTEネットワークが持つ機能をWi-Fi上で実現できる。これにより、LTEの基地局設置のための大規模な投資をすることなく、安価にプラットフォームを構築することが可能になる。なお、LTE-Xは「LTE over Wi-Fi」の利用において日本国内独占ライセンスを持つ。
席上、池田武弘ワイヤレスゲート社長は、「この技術を使うことにより、Wi-FiとLTEの「いいとこ取り」が可能になる」「Wi-Fiは低コストだがセキュリティ面が相対的に劣り、LTEはセキュリティに優れるが高コスト、といった特性のいいところを併わせたプラットフォームが可能になる」などと話した。
なお、新会社については、遠くない段階で社長の公募を行う予定とした。市場規模の可能性が無尽蔵な将来性に富む事業のため、本体で事業展開を行うのではなく、戦略的かつ速やかな事業展開を行うべく別会社にしたという。事業推進や財務基盤強化等を目的として、当初の資本金100万円(2016年10月3日現在)を、出資比率は現行のまま、今後段階的に2.5億円程度まで追加出資するとした。