【アナリスト水田雅展の銘柄分析】JSPは原油価格下落を好感して高値更新の展開、目先的な過熱感を冷ましながら上値追い

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 発泡プラスチック製品のJSP<7942>(東1)の株価は、原油価格下落による収益改善を期待して高値更新の展開だ。1月26日は2326円まで上伸した。指標面に割高感はなく、目先的な過熱感を冷ましながら上値追いの展開だろう。

 押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を強化するとともに、さらなる高機能新製品の開発を強化している。

 14年4月には、発泡ポリプロピレンビーズ(成型品「ピーブロック」用ビーズ)の新工場として北九州工場が生産を開始し、国内では栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 14年6月には米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート事業に参入すると発表した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。米ミシガン州ジャクソン工場内に新工場を建設して15年1月に生産開始する。

 14年11月には中国・武漢およびタイで、それぞれ「ピーブロック」を製造販売する子会社の設立と新工場の建設を発表した。需要が拡大している中国およびタイにおいて「ピーブロック」の安定供給を図る。生産開始時期は中国が17年1月、タイが16年1月の予定だ。なお中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造の4拠点目となる。

 今期(15年3月期)の連結業績見通し(10月30日に減額修正)は売上高が前期比3.0%増の1155億円、営業利益が同1.5%増の60億円、経常利益が同4.8%減の62億円、純利益が同4.6%減の42億円としている。配当予想(4月30日公表)は前期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。

 なお前提として想定為替レートは1米ドル=104円(上期実績1米ドル=102円20銭、下期想定1米ドル=106円40銭)、想定原油価格(ドバイ原油)は1バレル=96ドル(上期実績1バレル=104ドル、下期想定1バレル=88ドル)としている。

 第2四半期累計(4月~9月)は、国内において消費増税前駆け込み需要の反動減が想定以上となり、原燃料価格、電力料金、輸送費の上昇に対する製品価格是正の遅れが影響して営業減益だった。通期ベースでも期初計画に対して営業増益幅が縮小する見込みとして減額修正した。

 しかし、自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の採用拡大、国内での製品価格是正進展に加えて、原油価格下落もプラス要因となって下期以降の収益改善が期待される。一転して通期増額の可能性もあるだろう。

 なお有形固定資産の減価償却方法を、来期(16年3月期)から「主として定率法」から「主として定額法」に変更する。当社グループの生産設備は技術的陳腐化リスクが少なく安定的な使用が見込まれるため、定額法による期間損益計算がより合理的に使用実態を反映できると判断した。

 株価の動きを見ると高値更新の展開だ。1月26日は2326円まで上伸した。目先的にはやや過熱感もあるが、原油価格下落による収益改善を期待する動きのようだ。

 1月26日の終値2320円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS140円88銭で算出)は16~17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は1.3%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1940円48銭で算出)は1.2倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの上昇トレンドだ。指標面に割高感はなく、目先的な過熱感を冷ましながら上値追いの展開だろう。

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