【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インフォマートは調整一巡感、中期成長力を評価する流れに変化なく14年7月高値試す

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 企業間電子商取引プラットフォームのインフォマート<2492>(東マ)の株価は、14年12月末の配当権利落ちも影響して1月16日に988円まで調整する場面があったが、素早く切り返して調整一巡感を強めている。中期成長力を評価する流れに変化はなく、上昇トレンドを継続して14年7月高値1189円を試す展開だろう。なお2月13日に前期(14年12月期)の決算発表を予定している。

 フード業界向けのEC(電子商取引)プラットフォーム「FOODS info Mart」で、企業間(BtoB)電子商取引の「ASP受発注システム」「ASP規格書システム」「ASP商談システム」「ASP受注・営業システム」「クラウドサービス」を提供している。月額システム使用料収入が収益柱のストック型収益構造だ。

 中期成長を加速させる戦略として業界標準化に向けたフード業界向けBtoBビジネスの強化、他業界BtoB展開の美容業界向け「BEAUTY info Mart」や、医療業界向け「MEDICAL info Mart」による事業領域拡大、次世代BtoB&クラウドプラットフォーム拡販を推進している。14年11月にはフード業界だけでなく、請求書のやり取りがある全ての業界に対応できる電子請求の新サービス「ASP請求書システム」を開始した。

 またサービス拡充の一環として、14年2月にフード業界企業向け総合マーケティングサービス「BtoB F-Marketing」を開始し、4月にはフード業界向け情報発信の総合ポータルサイト「フーズチャネル」を開設している。

 子会社はインフォライズがクラウドサービス事業、インフォマートインターナショナル(香港)が海外「FOODS info Mart」事業を展開している。インフォマートインターナショナル(香港)は14年4月、台湾進出の日系企業向けに台湾版「FOODS info Mart」のサービス提供を本格的に開始した。

 アライアンス戦略では13年5月にJFEシステムズ<4832>、13年6月に東芝テック<6588>、13年11月に東京システムハウス、14年10月ヤマトホールディングス<9064>傘下のヤマトシステム開発とデータ連携した。

 また1月22日には、全国の商工会議所・商工会等が運営する「ザ・ビジネスモール(B-MALL)」の事務局を務める大阪商工会議所と、全国の企業へ電子請求を推進することを目的として業務提携すると発表した。電子請求「ASP請求書システム」による企業のコスト削減・効率化で企業の利益アップを応援し、3年後までに100万社の普及を目指すとしている。

 14年9月末時点の「FOODS info Mart」利用企業数(海外事業を除く)は、13年12月末比2168社増の3万6370社(売り手企業が同1915社増の2万9172社、買い手企業が同253社増の7198社)である。大手の食材卸売企業や外食・中食チェーンも利用し、電話やFAXからWebに切り替えて受発注する企業・店舗が増加基調である。

 前期(14年12月期)の連結業績見通し(2月14日公表)は、売上高が前々期比20.1%増の52億12百万円、営業利益が同85.9%増の20億35百万円、経常利益が同83.0%増の20億26百万円、そして純利益が同92.4%増の12億14百万円としている。配当予想は年間19円38銭(第2四半期末9円69銭、期末9円69銭)で、13年7月1日付の株式2分割および14年1月1日付の株式2分割を考慮すると、実質的に前期比8円82銭増配となる。

 ASP受発注システムなど各システムの利用企業・店舗数増加に伴ってシステム使用料収入が増加基調であり、アライアンスパートナーからの紹介による新規稼動数も増加傾向だ。既存プラットフォームの期間短縮償却が前期末に完了したため、ソフトウェア償却費が減少することも利益押し上げ要因となる。

 第3四半期累計(1月~9月)は各システムの国内での利用が順調に拡大して大幅増収増益だった。通期見通しに対する進捗率は売上高が69.7%、営業利益が68.2%、経常利益が68.6%、純利益が69.8%だが、利用企業数増加によって利益が積み上がるストック型収益構造であることを考慮すれば順調な水準だ。今期(15年12月期)も増収増益基調に変化はないだろう。

 年間システム取引高は、13年が12年比16.6%増の8618億円となり、外食産業における仕入金額ベースのシェアは12.4%まで上昇した。そして14年は13年比9.1%増の9400億円の計画であり、中期目標として掲げた年間システム取引高1兆円は15年に達成の可能性が高まっている。

 業界標準化が進んで利用企業数は増加基調であり、サービス拡充、ホテル・給食業界への利用企業開拓、さらに新規分野への事業展開も寄与して中期的に成長加速が期待される。

 株価の動き(15年1月1日付で株式2分割)を見ると、14年12月の戻り高値1169円から上げ一服となり、12月期末の配当権利落ちも影響して1月16日に988円まで調整する場面があった。しかし素早く切り返して調整一巡感を強めている。中期成長力を評価する流れに変化はないようだ。

 1月26日の終値1050円を指標面(1株当たり数値は15年1月1日付株式2分割を考慮して算出)で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS19円38銭で算出)は54倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間9円69銭で算出)は0.9%近辺、前々期実績PBR(前々期実績の連結BPS55円14銭で算出)は19倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下ヒゲを付けて調整一巡感を強めている。サポートラインを確認した形であり、長期上昇トレンドを継続している。中期成長力を評価する流れに変化はなく、14年7月高値1189円を試す展開だろう。

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