【編集長の視点】セラクは続落も連続最高業績・増配期待に農業IoT関連の好実態見直しがオンして再騰余地
- 2016/10/7 09:59
- 編集長の視点
セラク<6199>(東マ)は、200円安の3805円と続落して始まっている。同社株は、今年7月1日に新規株式公開(IPO)され、10月13日に前2016年3月期決算の発表を予定しているが、この決算発表を前に3連休控えの週末となっていることから、目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ、業績は、前期、今2017年8月期も含めて過去最高業績を更新し、連続増配も有力と観測されていることを手掛かりに下値には直近IPO株買いが続いている。10月12日に開催される「次世代農業EXPO」には、同社が目下注力中の農業IoTサービス「みどりクラウド」を出展することも支援材料視されている。
■10月12日に「次世代農業EXPO」に出展し13日には8月期業績を発表予定
同社の前2016年8月通期業績は、今年7月のIPO時に売り上げ65億円(前期比21.7%増)、営業利益5億2300万円(同68.7%増)、経常利益5億2000万円(同61.9%増)、純利益3億1200万円(同46.8%増)と連続過去最高更新が予想され、配当も、9.3円と今年4月30日付けで実施した株式分割(1対100)前の前期配当680円に対して実質増配が予定されていた。
このIPO直後の7月8日に発表された前期第3四半期(2015年9月~2016年5月期、3Q)業績は、四半期決算が初作成となるため前年同期との比較はなかったが、利益進捗率は、通期予想に対して77~82%と目安の75%を上回り上ぶれ着地期待を高めている。同社は、ITインフラ事業、WEBマーケティングコミュニケーション事業、スマートソリューション事業のIT(情報技術)関連の3つの主要サービスを社内で自らIT人材を育成しながらワンストップで10年以上にわたって提供しており、ITインフラ事業では、IT人材不足が顕在化するなか高稼働率を維持、スマートソリューション事業では、スマホアプリ開発からIOT(モノのインターネット化)分野に販売促進活動の主軸を移し、新規案件の発掘に注力したことなどが要因となった。
前期業績がどう着地するか、続く2017年8月期業績の動向がどうなるかは、10月13日の決算発表を待たなくてはならないが、農業IoTサービス「みどりクラウド」の積極展開などから続伸が有力で、東洋経済会社四季報最新号では、次期純利益を3億9000万円と連続最高更新、配当も10~12円の連続増配と観測している。なかでも「みどりクラウド」は、「次世代農業EXPO」に出展するとともに、共催されるシンポジウム「ICTが開く農業の未来~ICTの利活用で日本の農業を新たなステージへ~」へも同社がパネリストとしても参加、今臨時国会でTPP(環太平洋経済連携協定)承認案と関連法案の審議が続くなか、成長事業として業績期待を高めている。
■最高値から調整幅の半値戻し目前で相場格言通りに「半値戻しは全値戻し」の展開が有力
株価は、IPO時に3日連続のストップ高を交えて上場来高値6840円まで買い進まれ、公開価格1500円に対して4.56倍と高人気化した。最高値後は、新興市場の人気離散が波及して下値を探り、8月29日に突っ込んだ上場来安値2357円からは、静岡県の「みどりクラウド」採用をキッカケに底上げ、最高値から最安値までの調整幅の3分の1戻しをクリア、半値戻し目前となって高値調整を続けている。好決算・増配発表とともにさらにリバウンド幅を拡大、相場格言通りに「半値戻しは全値戻し」と最高値奪回の期待を強めよう。(本紙編集長・浅妻昭治)