- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- ティムコは16年11月期第3四半期累計の最終赤字縮小、低PBRを見直し
ティムコは16年11月期第3四半期累計の最終赤字縮小、低PBRを見直し
- 2016/10/14 07:44
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ティムコ<7501>(JQ)は、フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・開発・販売事業を展開している。10月12日発表した16年11月期第3四半期累計の非連結業績は最終赤字が縮小した。通期予想は据え置いて大幅増益予想としている。株価は徐々に下値を切り上げている。0.2倍近辺の低PBRを見直して戻りを試す展開が期待される。
■フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・販売
フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・開発・販売事業を展開している。15年11月期の事業別売上高構成比はフィッシング事業が32%、アウトドア事業が67%、その他(不動産賃貸収入など)が1%だった。
オリジナルアウトドア衣料ブランドである「Foxfire(フォックスファイヤー)」の商品力強化や、直営店舗「Foxfire Store(フォックスファイヤーストア)」の収益力向上に取り組んでいる。
■15年11月期は売上総利益率上昇
四半期別業績推移を見ると、15年11月期は売上高が第1四半期6億31百万円、第2四半期7億62百万円、第3四半期6億75百万円、第4四半期7億69百万円、営業利益が31百万円の赤字、33百万円の黒字、14百万円の赤字、35百万円の黒字だった。
15年11月期は消費マインド低迷、商品納期遅延発生、在庫商品値引き販売などで減収減益だった。差引売上総利益率は45.8%で14年11月期比0.2ポイント上昇、販管費比率は45.0%で同0.2ポイント上昇した。特別損失に土地・建物等の有形固定資産等について減損損失を計上したため純利益は赤字だった。自己資本比率は82.8%で同3.7ポイント低下した。
■16年11月期第3四半期累計は最終赤字が縮小
10月12日発表した今期(16年11月期)第3四半期累計(12~8月)の非連結業績は、売上高が前年同期比2.9%増の21億29百万円、営業利益が22百万円の赤字(前年同期は12百万円の赤字)、経常利益が16百万円の赤字(同7百万円の赤字)、純利益が18百万円の赤字(同23百万円の赤字)だった。
個人消費の低迷、夏季の渇水や記録的台風など天候不順の影響、衣料品の販売強化を目的とした広告宣伝費の増加、事業税率上昇による租税公課の増加などで赤字だが、営業活動強化で増収となり、最終赤字は縮小した。差引売上総利益は同0.5%増加したが、差引売上総利益率は45.1%で同1.1ポイント低下した。販管費は同1.4%増加したが、販管費比率は46.2%で同0.7ポイント低下した。
セグメント別(連結調整前)に見ると、フィッシング事業は売上高が同0.7%増の7億19百万円で営業利益が同8.1%増の1億01百万円だった。ルアー用品の仕入遅延改善、フライ用品の新製品投入、経費削減などで損益が改善した。アウトドア事業は売上高が同4.1%増の13億85百万円で営業利益が同25.6%減の42百万円だった。防虫素材「スコーロン」を使用した衣料品の販売強化で増収だったが、暖冬対策による冬物商品の値引き販売、広告宣伝費の増加で損益が悪化した。その他は売上高が同6.4%増の24百万円で営業利益が同10.4%増の17百万円だった。
なお四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期6億63百万円、第2四半期8億14百万円、第3四半期6億52百万円、営業利益は27百万円の赤字、38百万円の黒字、33百万円の赤字だった。
■16年11月期通期は大幅増益予想、17年11月期も収益改善期待
今期(16年11月期)通期の非連結業績予想は、前回予想(7月8日に減額修正)を据え置いて、売上高が前期(15年11月期)比3.3%増の29億30百万円、営業利益が同42.9%増の34百万円、経常利益が同31.2%増の40百万円、純利益が20百万円の黒字(前期は14億83百万円の赤字)としている。大幅増益予想である。配当予想は前期と同額の年間12円(期末一括)で予想配当性向は148.5%となる。
基本戦略としては、規模の拡大よりも内容の充実に重点を置き、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化、直営店舗「フォックスファイヤーストア」の収益性向上に努める方針としている。
差引売上総利益率は同0.3ポイント低下の45.5%、販管費比率は同0.6ポイント低下の44.4%、事業別売上高はフィッシング事業が同1.6%減の8億80百万円、アウトドア事業が同5.6%増の20億20百万円、その他が同1.2%減の30百万円の計画としている。店舗オペレーション効率化や販管費圧縮などの効果も寄与して来期(17年11月期)は一段の収益改善が期待される。
■株主優待制度は毎年11月末に実施
株主優待制度は毎年11月30日現在の株主を対象として実施している。優待内容は、100株以上~1000株未満保有株主に対してFoxfire Store20%OFFお買物優待券1枚、1000株以上保有株主に対してFoxfire Store20%OFFお買物優待券2枚贈呈する。株主優待券利用対象店舗は直営店(会社ホームページを参照)となる。
■株価は徐々に下値を切り上げ、低PBRも見直して戻り試す
株価の動きを見ると、6月の直近安値450円から7月安値451円、8月安値464円、9月安値466円と徐々に下値を切り上げている。10月13日の終値は前日比5円(1.04%)安の475円だった。16年11月期第3四半期累計の非連結業績に対する反応は限定的のようだ。
10月13日の終値475円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS8円08銭で算出)は59倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は2.5%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS1989円07銭で算出)は0.2倍近辺である。時価総額は約16億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線を突破した。さらに13週移動平均線が26週移動平均線を上抜いた。基調転換する動きだ。0.2倍近辺の低PBRも見直して戻りを試す展開が期待される。
(日本インタビュ新聞アナリスト水田雅展)