【アナリスト水田雅展の銘柄分析】キャリアリンクが東証1部銘柄に指定される、中期成長力を評価して上値追い

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 総合人材サービス事業のキャリアリンク<6070>(東1)は26日、東証2部から東証1部銘柄に指定された。株価は21日の高値1696円から利益確定売りで上げ一服となったが、今期(15年2月期)業績見通しは3回目の増額が濃厚であり、東証1部上場でTOPIX連動ファンドへの組み入れなど機関投資家の注目度が一段と高まることも期待される。中期成長力を評価する流れに変化はなく、目先的な過熱感が解消して上値追いの展開だろう。株価2000円は通過点となりそうだ。

 官公庁・地方公共団体・民間企業向けのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連事業を主力として、企業等のコンタクトセンター(コールセンター)向けCRM(カスターマー・リレーションシップ・マネジメント)関連事業、一般事務職分野の一般事務事業、製造・物流分野の製造技術系事業など、人材派遣・紹介や業務請負などの総合人材サービス事業を展開している。

 顧客の業務効率化や品質向上などを実現する企画提案型の人材派遣および業務請負が特徴だ。特にBPO関連事業では、企画提案による顧客企業の業務効率化や業務処理の品質向上を強みとして、それらを実現するために「単なるスタッフ派遣」ではなく、経験豊富な社員をリーダーとして編成したチームを派遣する「チーム派遣」を特徴としている。顧客にとっては、自社による導入時の研修や導入後の業務指導などに係る負担が軽減され、発注から短期間で大量業務処理の稼動開始が可能になるというメリットもある。

 BPO事業者からの受注を含めて、1000名を超える大型案件でも、稼働開始まで短期間で対応できるノウハウを有していることが強みだ。スタッフに対してはキャリアパス制度などを活用して能力、満足度、出勤率、稼働率を高める仕組みを構築しており、こうした仕組みもチーム派遣や大型案件に対する短期間での対応を支えている。

 中期的な経営基盤強化に向けて、官公庁・地方公共団体関連の大型特需案件並びに成長市場である民間BPO案件の受注活動を強化している。またCRM関連事業では首都圏で稼動中の大型コンタクトセンターへの派遣拡大、戦略拠点の札幌支店や沖縄支店における新規案件獲得、一般事務事業では既存取引先企業への事務系派遣の拡大、製造技術系事業では製薬メーカー、食肉加工メーカーおよび機械部品メーカー等からの受注拡大を推進している。そして業容拡大に向けて人材採用・育成も強化している。

 今期(15年2月期)の業績(非連結)見通しは前回予想(9月22日に2回目の増額修正)を据え置いて売上高が前期比17.7%増の136億54百万円、営業利益が同2.5倍の7億29百万円、経常利益が同2.5倍の7億20百万円、当期純利益が同2.6倍の4億26百万円としている。配当予想(9月30日に増額修正)は同2円増配の年間16円(期末一括=普通配当14円+創業20周年記念配当2円)としている。

 第3四半期累計(3月~11月)は前年同期比14.0%増収、同2.3倍営業増益、同2.4倍経常増益、同2.5倍最終増益だった。BPO関連事業の好調が牽引して大幅増収増益だった。そして通期見通しに対する進捗率は売上高が75.6%、営業利益が93.3%、経常利益が93.6%、当期純利益が95.1%と高水準である。

 当社は、通期の会社見通しを据え置いているが、BPO関連事業では金融業界などの民間BPO案件を中心に受注が堅調であり、BPO大型案件の業務処理効率化で売上総利益率の改善も進展している。通期3回目の増額修正が濃厚だろう。

 中期的にも事業環境は良好だ。官公庁・地方公共団体関連では、財政健全化に向けた費用抑制の流れも背景として、官から民間への業務委託および移管の増加が予想されている。また民間企業関連では、コア事業への経営資源集中や固定費の変動費化の流れも背景として、業務のアウトソーシング化が一段と増加すると予想されている。

 マイナンバー(社会保障・税番号)制度も追い風となりそうだ。当社の業務効率化に向けた企画提案力、1,000名以上の大型案件でも稼働開始まで短期間で対応できるノウハウ、官公庁向け大型BPO案件の受注実績などから、マイナンバー制度関連でも当社が大型BPO案件を受注することが有望視される。

 中期の経営目標値としては17年2月期の売上高200億円、売上高経常利益率6%を掲げ、人材採用・育成など業容拡大に向けた体制作りも着実に進展している。広範囲な事業分野へ受注領域を広げており、M&Aも活用する方針を示している。中期的に収益拡大基調だろう。

 なお株主優待制度については毎年8月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。14年8月に優待内容の変更を発表し、従来の「100株以上保有株主に対してクオカード1000円相当」を「100株以上300株未満保有株主に対してクオカード1000円相当、300株以上保有株主に対してクオカード2000円相当」に拡充した。現金配当と株主優待を合算した総合利回りの向上を目指している。

 株価の動きを見ると、東証1部指定を好感した1月21日の上場来高値1696円から利益確定売りで上げ一服となり、27日は1441円まで調整する場面があった。ただし中期成長力を評価する流れに変化はなく、自律調整の範囲だろう。

 1月27日の終値1475円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS68円52銭で算出)は21~22倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は1.1%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS289円26銭で算出)は5.1倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線が接近して目先的な過熱感が解消した。週足チャートで見ると13週移動平均線をサポートラインとする上昇トレンドだ。今期業績見通しは3回目の増額が濃厚であり、東証1部上場でTOPIX連動ファンドへの組み入れなど機関投資家の注目度が一段と高まることも期待される。中期成長力を評価する流れに変化はなく、目先的な過熱感が解消して上値追いの展開だろう。株価2000円は通過点となりそうだ。

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