【アナリスト水田雅展の銘柄分析】電算システムは利益確定売り一巡、15年12月期好業績期待で上値を試す

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 情報サービス事業および収納代行サービス事業の電算システム<3630>(東1)の株価は、12月25日の高値1765円から反落して1月16日の1454円まで調整しが、切り返しの動きを強めて27日は1540円まで上伸した。利益確定売りが一巡したようだ。今期(15年12月期)の好業績期待で上値を試す展開だろう。なお1月30日に前期(14年12月期)の決算発表を予定している。

 情報サービス事業(SI・ソフト開発、情報処理サービス、商品販売)と、収納代行サービス事業(コンビニ収納代行、郵便振替決済代行、ネットショッピング決済、電子マネー決済)を収益柱として、クラウドサービスや電子マネーへの対応を強化している。

 収納代行サービスは97年にIT企業として初めて、コンビニエンスストアを利用した料金支払(収納代行)サービスを開始した。現在は総合決済サービスプロバイダーとして、全国7万以上のコンビニエンスストア・郵便局窓口でサービスを提供し、13年12月期の年間取扱件数は1億45百万円件に達している。

 中期成長に向けたM&A・アライアンス戦略も活発化している。13年10月にNTTドコモ<9437>と業務提携し、米グーグルの企業向けクラウドビジネスに関する戦略的パートナーとして連携を強化した。

 14年9月にはキャノンマーケティングジャパン<8060>グループのガーデンネットワークを子会社化した。ガーデンネットワークは全国約2000箇所のガソリンスタンド向けに勘定系システムや情報系システムを提供し、当社と商圏が競合していないため、エネルギー業界向けITサービス提供拡大に向けてシナジー効果が期待される。

 前期(14年12月期)の連結業績見通し(1月30日公表)は、売上高が前々期比9.9%増の270億円、営業利益が同10.2%増の11億20百万円、経常利益が同9.6%増の11億20百万円、純利益が同12.4%増の6億67百万円としている。配当予想は年間22円(第2四半期末11円、期末11円)で、13年7月1日付の株式2分割を考慮すると実質的に同2円増配となる。

 第3四半期累計(1月~9月)は増収増益で、通期見通しに対する進捗率も概ね順調な水準だった。情報サービス事業はSI・ソフト開発でオートオークション業向けシステムなどの大型案件、情報処理サービスで請求書作成代行のアウトソーシング業務などが順調に推移しているようだ。収納代行サービス事業は、クレジットカード決済において売上とクレジット手数料を相殺する純額表示とした影響で小幅な伸びにとどまったが、新規顧客獲得や収納代行窓口サービスは順調に推移しているようだ。

 今期(15年12月期)についても、情報サービス事業の大型案件やアウトソーシング業務、収納代行サービス事業の新規顧客獲得が順調に推移し、ガーデンネットワークの通期連結も寄与して好業績が期待される。

 中期経営計画では目標数値として、16年12月期売上高350億円(情報サービス事業194億円、収納代行サービス事業156億円)、営業利益18億20百万円、経常利益18億20百万円、純利益11億62百万円を掲げている。クラウドサービスを第3の柱に育成する方針であり、中期的に収益拡大基調だろう。

 なお14年7月に14年12月期末の株主優待品の詳細を発表している。対象は14年12月31日現在1単元(100株)以上保有株主で、奥美濃「郡上」特産品1~4および当社オリジナルQUOカードの中から1つ(3000円相当)を選択する。

 株価の動きを見ると、12月25日の高値1765円から利益確定売りなどで急反落し、1月16日の1454円まで調整した。ただし14年10月安値1371円水準まで下押すことなく切り返しの動きを強めている。1月27日は1540円まで上伸した。利益確定売りが一巡して今期の好業績を期待する動きだろう。

 1月27日の終値1538円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS69円12銭で算出)は22~23倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間22円で算出)は1.4%近辺、前々期実績PBR(前々期実績の連結BPS723円51銭で算出)は2.1倍近辺である。

 週足チャートで見ると、12月高値で上ヒゲを付けて26週移動平均線を一旦割り込んだが、素早く回復の動きを強めている。好業績期待で上値を試す展開だろう。

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