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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】エフティコミュニケーションズは調整の最終局面、今期大幅営業増益見通しを評価して出直り
- 2015/1/28 07:06
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
LED照明・OA機器販売などのエフティコミュニケーションズ<2763>(JQS)の株価は、14年10月の安値1893円を割り込んだが、1月22日の1834円から切り返しの動きを強めている。27日は1883円まで戻す場面があった。調整の最終局面であり、今期(15年3月期)大幅営業増益見通しや3%台後半の高配当利回りを評価して出直り展開だろう。なお2月10日に第3四半期累計(4月~12月)の業績発表を予定している。
13年6月にTOBで光通信<9435>の連結子会社となり、法人向けLED照明・OA機器・スモールサーバー販売などの法人事業、一般消費者向け光ファイバー回線サービス取次販売やドコモショップ運営などのコンシューマ事業を展開している。LED照明や空調などオフィスの環境・省エネ関連商材を重点分野と位置付けて、商品ラインナップの拡充、定額保守サービスなどストック型収益の積み上げを強化している。
中期成長に向けた重点戦略として、環境商材戦略、M&A・新規事業戦略、既存事業の強化戦略、海外戦略、プラットフォーム事業戦略を推進している。13年10月にネットワークセキュリティ機器製造のアレクソン、13年11月にビジネスホン・OA機器販売のグロースブレイブジャパン、13年12月にノンフロン新自然冷媒ガス販売・施工のニューテックを子会社化し、13年12月にはスマートフォン・タブレット端末での決済・プラットフォーム事業を担う子会社ViewPointを設立した。
環境商材戦略ではLED照明に加えて、ニューテックのノンフロン新自然冷媒ガス販売・施工を強化する。プラットフォーム事業戦略ではスマホカード決済サービス「ペイコレ」や、子会社ViewPointが14年7月運営開始した中古車個人取引サイト「mieruCAR(ミエルカ)」を強化する。海外戦略では14年7月に設立したタイ子会社をASEAN地域への事業展開の拠点として、LED照明など環境商材の販売を推進する方針だ。
1月14日には、ニューテックとハウステンボス・技術センター(長崎県佐世保市)との間で、自然冷媒ガスの販売契約を締結したと発表した。業務用エアコンのハウステンボス内で実証を行った結果、27%の消費電力削減効果が確認できたため、ハウステンボス・技術センターが環境技術商社としての強みを活かして、エアコン使用時間の長い医療機関、老人保健施設、宿泊施設、工場、商業施設など向けに15年2月から販売開始する。
今期(15年3月期)の連結業績見通し(5月14日公表)は売上高が前期比6.0%増の380億円、営業利益が同27.6%増の48億円、経常利益が同21.6%増の50億円、純利益が同5.5%増の28億円としている。配当予想(11月7日に増額修正)は年間70円(第2四半期末30円、期末40円)で、13年10月1日付の株式100分割を考慮すると実質的に前期比20円増配となる。
第2四半期累計(4月~9月)は前年同期比9.4%減収、同19.1%営業増益、同20.1%経常増益、同31.9%最終増益だった。前期第1四半期(4月~6月)にハイブリッド・サービス<2743>が連結対象だったため見かけ上は減収だが、法人事業は同20.2%増収、コンシューマ事業は同17.0%増収と好調に推移し、人件費や大阪コールセンター新設などの先行投資費用を吸収して大幅増益だった。
通期ベースでも、法人事業ではLED照明やスモールサーバーなどが好調に推移してストック型収益の積み上げが進展する。コンシューマ事業では光ファイバー回線サービス拡販でストック型収益を積み上げ、ドコモショップの運営効率向上も寄与する。純利益はアレクソンの負ののれん発生益一巡で小幅増益にとどまるが、通期ベースで大幅営業増益見通しだ。
通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が45.0%、営業利益が40.4%、経常利益が42.3%、純利益が46.9%でやや低水準だが、ストック型収益構造であることを考慮すれば通期会社見通しの達成は可能だろう。積極的な事業展開で中期的に収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、14年11月の戻り高値2349円から反落し、14年10月安値1893円を割り込んで調整局面だ。ただし1月22日1834円から切り返しの動きを強めている。27日は1883円まで戻す場面があった。調整の最終局面だろう。
1月27日の終値1870円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS240円00銭で算出)は7~8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間70円で算出)は3.7%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS720円01銭で算出)は2.6倍近辺である。
週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形で水準を切り下げたが、指標面には割安感が台頭している。調整のほぼ最終局面であり、今期大幅営業増益見通し、低PER、高配当利回りを評価して出直り展開だろう。