【株式評論家の視点】はてなは高値から約5割調整、会社計画は保守的で押し目買い妙味膨らむ

株式評論家の視点

 はてな<3930>(東マ)は、本年2月24日に東京証券取引所マザーズに上場。2001年の創業とともに『人力検索はてな』を世に送り出したはてなは、更新チェックサービス『はてなアンテナ』やブログサービス『はてなダイアリー』『はてなブログ』、ソーシャルブックマークサービス『はてなブックマーク』など、これまでにはなかったサービスを次々と創出している。

 「はてなブログMedia」「はてなブックマークネイティブ広告」等のコンテンツマーケティングサービスの営業人員強化や、コンテンツプラットフォームサービスにおけるテクノロジー基盤投資、Mackerel(マカレル)サービスの機能開発強化など、各有力分野で未来成長を意識した攻めの重点投資を実施。コンテンツプラットフォームサービスでは、機能開発やサーバー等への投資により、投稿や閲覧をより便利にしていくことで更なる拡大を進めている。コンテンツマーケティングサービスでは、企業がインターネットを活用して動画、画像、テキストを提供し、潜在顧客の認知や興味関心を獲得する重要性がますます増していることを踏まえ、「はてなブログMedia」の拡販を行い、更なる事業拡大を図っている。テクノロジーソリューションサービスでは、受託開発・運営のみならず、他社システムに対して「Mackerel(マカレル)」の導入を提案し、事業の拡大に取り組んでいる。

 前2016年7月期業績実績は、売上高が15億5900万円(前の期比42.5%増)、営業利益が2億5200万円(同46.3%増)、経常利益2億3500万円(同42.6%増)、純利益が1億4400万円(同2.6倍)に着地。

 今17年7月期通期業績予想は、売上高が18億6600万円(前期比19.7%増)、営業利益が2億5300万円(同0.1%増)、経常利益が2億5200万円(同7.4%増)、純利益が1億5000万円(同4.4%増)と連続最高益更新を見込んでいる。

 株価は、2月25日につけた上場来の高値3355円から11月4日に上場来の安値1720円と約5割調整し、値ごろ感が出ているほか、信用買残はピーク時から半減しており、需給も改善している。ブログを始めとしたUGCサービスの利用は、スマートフォンなど情報通信端末の普及に沿ってますます拡大しており、集英社やKADOKAWAと取り組んでいる漫画や小説のUGCサービスの開発や運用、アライアンス事業は着実に成果が現れている。サーバー監視サービス「マカレル」はLINEが提供開始している「LINE Notify」と連携しており、大きく成長する見通し。今期会社計画は保守的と見られ、今月30日に予定されている第1四半期決算の発表が順調に推移していることが確認されれば、リバウンド相場入りが期待される。ここから押し目買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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