【アナリスト水田雅展の銘柄分析】サクセスHDは調整の最終局面、アベノミクス成長戦略が追い風、中期成長力を見直し

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 保育園運営のサクセスホールディングス<6065>(東1)の株価は12月8日に1471円まで上伸したが、再び水準を切り下げて1月22日と23日には1234円まで下押した。ただし1200円台では下げ渋り感を強めている。調整の最終局面だろう。アベノミクス成長戦略が追い風であり、中期成長力を見直して反発が期待される。なお2月10日に前期(14年12月期)の決算発表を予定している。

 保育園を運営するサクセスアカデミーの持株会社で、病院・大学・企業などの事業所内保育施設を受託運営する受託保育事業と、認可保育園・認証保育所・公設民営保育園・学童クラブ・児童館・全児童対策事業施設など公的保育施設を運営する公的保育事業を展開している。

 13年12月期末時点の運営施設数は、受託保育事業が171施設(12年12月期末比20施設増加)、公的保育事業が63施設(うち認可保育園35施設、認証保育所5施設、学童クラブ等23施設)(同9施設増加)の合計234施設(同29施設増加)である。地域別にみると関東181施設、中部34施設、関西17施設、東北2施設で、神奈川県と東京都を地盤としている。

 成長に向けた重点戦略として、受託保育事業は広域エリアでの拡充、公的保育事業は首都圏中心の新規開園と小規模施設の運営を進め、施設運営の効率向上、人材確保・育成面でのジェイコムホールディングス<2462>グループとの連携強化、認可保育園開設用不動産の確保などを掲げている。24時間保育や英語教育の実施など高付加価値の保育サービスの提供、多様な保育需要に応じたサービスの提供も強化している。

 前期(14年12月期)の連結業績見通し(2月7日公表)は売上高が前期比13.3%増の98億26百万円、営業利益が同16.5%減の4億67百万円、経常利益が同7.1%増の7億55百万円、純利益が同7.3%増の4億30百万円、配当予想が同5円増配の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。

 新規開園費用や保育士募集採用費の増加で営業減益見通しだが、新規施設開設や利用者数増加で売上高は2桁増収見通しであり、営業外収益で公的保育事業に係る設備補助金収入が増加するため、経常利益と純利益は増益見通しだ。

 第3四半期累計(1月~9月)は前年同期比営業減益、経常減益、最終減益だったが、受託保育事業が同6.3%増収、公的保育事業が同24.3%増収と、いずれも好調に推移した。新規施設開設は受託保育事業12施設(病院内11施設、企業内等1施設)、公的保育事業14施設(認可保育園6施設、学童クラブ等4施設、小規模保育施設等4施設)の合計26施設だった。また第4四半期(10月~12月)に認可保育園2施設の運営を開始した。

 前期は営業減益のもようだが、今期(15年12月期)は前期に新規開園した施設の収益化も寄与して営業損益の改善が期待される。

 全国の待機児童数は緩やかに減少傾向となっているが、潜在需要の顕在化もあり、都市部を中心に保育サービスの需要は高水準である。そしてアベノミクス成長戦略では「女性活用推進」を重点分野に位置付け、17年度の待機児童解消を目指して規制緩和や運営補助金拡大などの動きも活発化している。

 保育士採用難に加えて、毎年4月に新規施設開園が集中するため、第1四半期(1月~3月)および第2四半期(4月~6月)は費用負担が先行して営業損益は低水準となり、公的保育事業に係る設備補助金収入の増減なども影響して、四半期別の利益はデコボコしやすい収益構造だが、国の重点政策を追い風とする中期成長シナリオに変化はないだろう。

 株価の動きを見ると、12月8日に1471円まで上伸したが、再び水準を切り下げて1月22日と23日には上場来安値1234円まで下押した。ただし1200円台では下げ渋り感を強めている。調整の最終局面だろう。

 1月28日の終値1247円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS82円05銭で算出)は15~16倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間配当30円で算出)は2.4%近辺、前々期実績PBR(前々期実績の連結BPS327円76銭で算出)は3.8倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が抵抗線となって下押したが、アベノミクス成長戦略が追い風であり、中期成長力を見直して反発が期待される。

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