任天堂は調整一巡して7月高値目指す

株式市場 銘柄

■スーパーマリオラン配信に円安も追い風

 任天堂<7974>(東1)に注目したい。スマホ向け「ポケモンGO」を好感した動きは一巡したが、11月15日にiPhone向け「スーパーマリオラン」配信を発表した。また円高影響で17年3月期の経常利益予想を大幅減額したが、期末に向けて円安進行は追い風となる。17年春発売予定の新ゲーム機「NX」も期待される。株価は日柄調整が一巡して7月高値を目指す展開となりそうだ。

 11月15日にはスマートデバイスに最適化したマリオの新しいアクションゲーム「スーパーマリオラン」を12月15日から順次151の国・地域のApp Storeにおいて配信開始すると発表した。コンテンツ制作は当社、サーバー関連はDeNA<2432>が担当し、収益は役割分担に応じて分配される。

 17年3月期連結業績予想(10月26日に売上高、営業利益、経常利益を減額修正、純利益を増額修正)は、売上高が前期比6.8%減の4700億円、営業利益が同8.8%減の300億円、経常利益が同65.3%減の100億円、純利益が同3.0倍の500億円としている。米ドル建て預金など外貨建て資産に係る営業外での為替評価(為替差損益)が大きく影響する収益構造のため、想定為替レートを1米ドル=100円、1ユーロ=115円に見直して経常利益を大幅減額した。

 ただし足元でドル高・円安傾向に傾いていることは、期末に向けて追い風となりそうだ。なお純利益については、メジャーリーグ球団シアトルマリナーズ運営会社の持分一部売却による投資有価証券売却益627億円が寄与する。また中期成長に向けた戦略として、ビデオゲーム専用機ビジネスにおける全く新しいコンセプトのゲーム機「NX」を17年3月発売予定である。

 株価の動きを見ると、世界的ヒット作「ポケモンGO」を好感して急伸した7月の年初来高値3万2700円から反落し、9月以降は2万5000円近辺でモミ合う形だ。ただし日柄調整一巡感を強めてきた。週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって切り返しの動きを強めている。7月の年初来高値を目指す展開となりそうだ。

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