【編集長の視点】アイモバイルは小反落もPER評価で下げ過ぎとして直近IPO株買いが再燃方向
- 2016/11/22 11:34
- 編集長の視点
アイモバイル<6535>(東マ)は、7円安の963円と小反落して始まっている。同社株は、今年10月27日に公開価格を1320円に新規株式公開(IPO)され、11月15日につけた上場来安値888円から100円幅の底上げをしており、きょう22日朝方に発生した福島県沖の地震の影響などから、目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ公開価格を下回っている下値では、PER評価が14倍台は下げ過ぎを示唆しているとして直近IPO株買いが続いている。また取得した特許技術により広告費用対効果などのマルチコンバージョン計測機能の提供を開始したネット広告会社としての先駆性も再評価材料として浮上している。
■昨年9月にリリースの動画広告プラットフォームなどがフル稼働
同社のIPO後の初決算となる今2017年7月期業績は、売り上げ148億9900万円(前期比1.0%増)、営業利益21億9100万円(同2.1%増)、経常利益22億400万円(同3.6%増)、純利益14億500万円(同1.5%増)と増収増益転換が予想されている。前期業績は、アップル社のApp storの規約変更の影響で落ち込んだが、これが一巡し、スマートフォン、パソコン、タブレットのマルチデバイスに対応した運用型アドネットワークの国内最大級企業として、昨年8月に設立したDSP事業子会社のEvoryや同9月にリリースを開始した動画広告プラットフォーム「maio(マイオ)」、同11月に開始した高額寄附者向けふるさと納税代行サービス「ふるなびプレミアム」などがフル稼働し再成長期入りとなる。
今年11月に入ってもふるさと納税サイト「ふるなび」で全国1788自治体の約56%をカバーする「Yahoo!公金支払い」とクレジットカード決済で連携を開始し、特許技術を駆使して広告費用対効果などを計測するマルチコンバージョン計測機能を提供して広告主の広告効果の最大化を図るなど積極策を続けており、業績期待を高めている。
■IPOの投資セオリー通りに「小さく産んで大きく育てる」チャンス到来
株価は、公開価格1320円に対して1230円で初値をつけいったん1297円と上ぶれたものの、その後は、公開価格を下回って推移している。公開価格から上場来安値までの下落率は約33%に達し、足元では同安値から100円幅の底上げをしているが、PERはなお14倍台と下げ過ぎを示唆している。「小さく産んで大きく育てる」とされるIPO株の投資セオリーを実践する絶好機となりそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)