【株式評論家の視点】スタジオアタオはEC売上比率上昇へ、女優などのお気に入りが大きく見直される
- 2016/12/9 06:43
- 株式評論家の視点
スタジオアタオ<3550>(東マ)は、11月29日に東京証券取引所マザーズに上場。社長自らがデザイン、企画、ブランド構築を指揮し、神戸発の主力ブランドの「ATAO」をはじめ、「IANNE」などの企画・販売、直営店舗の運営、インターネットショップの制作・運営、イラスト及びキャラクターの企画、カタログ等の紙媒体の企画・制作、ノベルティ等の販促品の企画・制作を行っている。店舗にて顧客へ販売サポート、コミュニケーション、SNSの紹介、商品の魅力を顧客店舗やポップアップショップといったリアルでの仕掛け、接点を持った顧客をネットへ誘導し、具体的な購買に結びつけている。
今2017年2月期は、インターネット販売の強化、人材の確保と育成、新規出店や新ブランドの展開を含む販売チャンネルの開拓等に取り組んでいるほか、オンラインショップと店舗の一層の連携を図るため、販売促進費の増額、SNS活動の強化等を行っている。SNS活動の強化については、FacebookやLINEによる情報発信だけではなく、店舗スタッフによる商品情報に関するブログを積極的に行うことにより、顧客とのコミュニケーションを図っている。
今2017年2月期第2四半期業績実績は、売上高が14億7800万円、営業利益が3億2900万円、経常利益が3億2600万円、純利益が2億1200万円に着地。前16年2月期第2四半期においては、四半期報告書を作成していないため、前16年2月期第2四半期の数値と対前年同四半期増減率の記載をしていない。
今17年2月期業績予想は、売上高が27億3100万円(前期比40.5%増)、営業利益が4億5700万円(同86.7%増)、経常利益が4億6500万円(同72.3%増)、純利益が1億1200万円(同79.4%増)を見込む。第2四半期営業利益は年計画に対する進捗率が72%と通期業績予想の上ブレが有力視される。上場で調達した資金は出店と人材の積極採用に充てる方針で、配当については無配を予定している。
株価は、11月29日に公開価格3030円を25.7%上回る3810円で初値をつけ、12月2日高値4570円と買われた後、モミ合っている。上場を機に知名度は上がり、女優やモデルがお気に入りとしてTVや新聞、雑誌などで紹介されたことが大きく見直される可能性があり、現在電子商取引(EC)の売上比率は50%だが、EC売上比率もILEMER製品売上の拡大により、上昇の余地がある。また、IANNE銀座店を2017年3月にマロニエゲート銀座(旧プランタン銀座)に出店を予定、18年2月から19年9月に新店舗4店舗を計画しているほか、キャラクタービジネスの展開を検討しており、中期的に高い成長が続くと期待される。目先3600円割れが下値として意識された感があり、突っ込み場面があれば、短期のみならず、中長期的な視点でも買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)