【編集長の視点】フォスターは一気に高値更新、業績再上方修正で市場コンセンサスを上回り再増配もオン

編集長の視点

フォスター電機<6794>(東1)は、寄り付きから買い気配値を切り上げて320円高の2327円とまで買い上げられ5営業日続伸、昨年12月4日につけた昨年来高値2256円を一気に更新している。一時、東証第1部値上がりランキングのトップに躍り出た。前日29日大引け後に今3月期第3四半期(3Q)決算とともに、3月通期業績の昨年10月に続く再上方修正と再増配を発表、通期利益が市場コンセンサスを上回ることから割安修正買いが増勢となっている。引き続き1月28日に発表した米アップル社の2014年10~12月期業績が、四半期として過去最高となったこともフォローの材料となっている。

■携帯電話向けヘッドセットが好調に推移し円安進行も寄与

同社の3月通期業績は、昨年10月の上方修正値より売り上げを130億円、経常利益を28億円、純利益を12億円それぞれ引き上げ、経常利益は、98億円(前期比54.9%増)と続伸し、純利益は、48億円(同2.06倍)とV字回復を鮮明化、利益は、市場コンセンサスを11億円~9億円オーバーする。想定為替レートは、10月の1ユーロ=140円は据え置いたものの、1ドル=105円から117円へと見直し、この円安寄与に加えて、引き続きスマートフォンや車載向けが好調に推移、音響部品ではモバイルオーディオ向けスピーカ、自動車用部品では車載用スピーカ・システム、情報・通信機器用部品では携帯電話用ヘッドセットなどの生産、出荷がそれぞれも好調に推移したことが要因となった。

3月期末配当は、昨年10月に期初予想の12円を15円に増配したが、これに普通配当8円と創立65周年の記念配当5円を上乗せして28円に引き上げ、年間配当を40円(前期実績40円)に再増配する。

■PERはなお11倍台と割安で2011年1月高値を射程

株価は、昨年10月に業績上方修正と増配の好材料が続いて昨年来高値まで46%高してこの半値押し水準まで調整し、28日発表のアップル社の好決算では、寄り付きは安寄りしたものの大引けにかけては切り返して2000円台に乗せる好感応度をみせた。PERは11倍台、PBRは1.1倍、配当利回りは1.71%と割安であり、高値を抜けたここからまず2011年1月高値2669円が上値目標となろう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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