【中期経営計画と株価】生化学工業は新中期経営計画で19年3月期経常利益45億円目標

中期経営計画と株価

【成長への道筋・中期経営計画を探る】

■17年3月期減益予想の織り込み完了して出直り期待

 生化学工業<4548>(東1)は関節機能改善剤アルツが主力の医薬品メーカーである。薬価改定影響などで17年3月期減益予想だが、期初計画に対して営業利益を増額している。中期的には高齢者人口増加を背景として関節機能改善剤の需要拡大が期待される。株価はモミ合い展開だが、17年3月期減益予想の織り込みが完了し、出直りが期待される。

 16年5月策定の新中期経営計画(17年3月期~19年3月期)では、重点戦略として、腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の確実な進展、変形性膝関節症市場におけるリーディングカンパニーとしての進化、開発パイプラインの充実、最適な生産・品質管理体制の追求を掲げている。

 腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603については日本での上市と拡販、および潜在市場規模の大きい米国での事業化を目指す。変形性膝関節症市場におけるリーディングカンパニーとしての進化では、成長ドライバーであるジェル・ワンの米国売上拡大と新規市場展開、製品改良による国内アルツの販売数量維持、次世代品となる関節機能改善剤SI-613の開発を推進する。開発パイプラインの充実では、糖質科学分野において他社を凌駕する基盤技術の保持、探査研究の加速、持続的な開発テーマの創製を推進する。最適な生産・品質管理体制の追求では、製品の安定供給、さらなる生産効率化の推進によって原価低減を実現する。

 経営目標値には、19年3月期売上高320億円、営業利益25億円、経常利益45億円を掲げた。想定為替レートは1米ドル=110円で、海外事業の拡大(海外売上高比率45%)によって国内薬価改定による減収をカバーし、研究開発費は高水準(対売上高比率25%~30%)で推移する。また各種受取ロイヤリティーを営業外収益として織り込んでいる。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  2. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…
  3. ■節約志向が市場を動かす?  日本の消費者は、節約志向と低価格志向を持続しており、これが市場に影響…
  4. ■投資家の心理を揺さぶる相場の波  日米の高速エレベーター相場は、日替わりで上り下りと忙しい。とく…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る