【新規上場(IPO)銘柄】イノベーションは日経BP社との連携によって事業拡大へ

株式市場 IPO 鐘

 イノベーション<3970>(東マ)は、12月21日に東京証券取引所マザーズに上場した。法人営業における見込み顧客獲得(リードジェネレーション)、見込み顧客育成(リードナーチャリン グ)及び、顧客獲得後のフォローアップまで、一気通貫のサービスを提供している。オンラインメディア事業では、法人向け商材の比較・資料請求サイトを運営。出稿企業は、購買意欲の高い見込み顧客を、優れた費用対効果で獲得を可能にしている。 セースルクラウド事業では、購入意向の高い見込み顧客の発見を支援する、クラウド型法人向けマーケティングオートメーションツールを月額従量課金にて提供している。

 同社は「法人営業の新しいスタイルを創造する」事業に集中し、2016年4月度から 19年3月度までを投資と拡大期とする成長加速期と位置付けている。今2017年3月期第2四半期は、成長加速期の第一歩として、引き続き収益性の高い「ITトレンド」と「List Finder」の販売促進活動を中心に積極的な事業展開を推し進めている。

 今17年3月期第2四半期業績実績は、売上高が6億0100万円、営業利益が9200万円、経常利益が1億2600万円、純利益が8300万円に着地。オンラインメディア事業では、新しい広告施策の展開や積極的なSEO対策等が寄与し、主力の「ITトレンド」と「BIZトレンド」における来訪者数は堅調に推移。セールスクラウド事業では、主力製品の「List Finder」において、増員や展示会参加等の積極的な販売促進活動が寄与し、アカウント数は500件を超え、第2四半期計画を上回り順調に推移している。

 今17年3月期業績予想は、売上高が11億6400円(前期比10.7%減)、営業利益が1億4000万円(同47倍)、経常利益が1億6000万円(同40倍)、純利益が1億2100万円(同9.3倍)を見込む。上場で調達した資金は、運営するサイトの広告費や人材強化のための採用増に充てる計画で、配当は無配継続を予定している。

 株価は、上場2日目の12月22日に公開価格2770円の3.1倍の8700円で初値をつけ、同日高値9310円と買い進まれた後、26日安値6610円と下げてモミ合っている。事業再編により注力中のオンラインメディア事業とセールスクラウド事業は順調に拡大中で、中長期的には、新技術・新サービスにも積極的に投資し、「法人営業の新たなスタイルの創造」の実現を目指しているが、上場を機とした営業強化、日経BP社との連携によって事業の拡大が見込まれる。目先6800円割れが下値として意識した感があり、短期的には上値を試す展開が期待できそうだ。(株式評論家・信濃川)

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