【編集長の視点】バロックは連続最高純益をベースに新年相場で記念配当・株主優待の権利取りが本格化し一段の底上げ期待

 バロックジャパンリミテッド<バロック、3548>(東1)は、2016年の大納会に22円高の1271円と反発し、12月15日につけた上場来安値1198円からの一段の底上げ期待を高めて引けた。今2017年1月期の期末接近とともに、新年相場では東証第1部上場記念配当や株主優待制度の権利取りが本格化して直近IPO(新規株式公開)株買いが盛り上がり、これを今期純利益が連続して過去最高を更新する好業績がサポートするためだ。昨年12月26日に発表したスマートフォン向けカジュアルアプリ「Tap Roddy(タップロディー)」の配信開始も、側面支援材料となる見込みである。

■記念配当に加え配当政策変更、優待制度導入と投資魅力は拡大一方

 同社の今期配当は、昨年11月1日に東証第1部に直接上場(IPO)されたことを記念して記念配当10円を予定している。また配当政策も、従来の内部留保の充実優先から株主利益を最大化することを経営目標とすることに変更し、2018年1月期以降は、配当性向を30~40%として安定配当を継続することを基本方針とした。さらに同社株式の投資魅力を高め投資家に中長期に保有してもらうために株主優待制度も導入、1月31日、7月31日を基準日に1単元(100株)以上保有する株主に同社店舗や通販サイト「SHEL’TTER WEB STORE」の2000円分のクーポンを各1枚贈呈する。

 一方、同社の今2017年1月期業績は、売り上げ728億4300万円(前期比5.9%増)、営業利益61億4600万円(同2.5%増)、経常利益63億8600万円(同4.0%増)、純利益44億2400万円(同4.8%増)と予想し、純利益は、前期の過去最高を連続更新する。女性向けの衣料や服飾雑貨を主力とする製造小売業(SPA)として、20代から40代の女性を顧客層とする幅広いブランドを展開、店舗政策では国内店舗では36店舗の出店増、中国では61店舗の出店増を計画し、サプライチェーンマネジメント(SCM)改革継続による仕入原価の低減や、物流センターの集約化・効率化による費用削減効果などに取り組むことなどが寄与する。

■PER評価は9倍台に過ぎず「小さく産んで大きく育てる」IPO株投資セオリーの好機

 株価は、昨年11月のIPO時に公開価格2000円を下回る1900円で初値をつけ上場来安値1198円まで下ぶれたが、11月の月次売上速報で国内既存店売上高が底打ちし中国事業が続伸したことで持ち直し、続く記念配当・優待制度導入発表で底上げを窺った。PERは9倍台、記念配当・優待制度込みの総合利回りは3.94%と割安であり、「小さく産んで大きく育てる」IPO株の投資セオリー通りに期末にかけ上場来高値1903円から公開価格2000円を目指す展開が想定される。(本紙編集長・浅妻昭治)

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