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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】京写は今期配当増額修正、通期業績も再増額の可能性が高く上値追い
- 2015/2/2 07:15
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
プリント配線板大手の京写<6837>(JQS)は1月30日、第3四半期累計(4~12月)業績を発表し、通期業績見通しを据え置いたが配当予想を増額修正した。株価は高値更新の展開が続き1月27日には587円まで上伸した。今期(15年3月期)業績見通しは再増額の可能性が高く、予想PERには依然として割安感が強い。今期配当予想の増額修正も好感して上値追いの展開だろう。
生産量世界トップの片面プリント配線板、および両面プリント配線板を収益柱として、実装治具関連事業も展開している。プリント配線板の生産は、国内および中国、インドネシアに拠点展開している。また14年10月にはキクデンインターナショナル(神奈川県横浜市)から実装治具事業を譲り受け、実装治具事業の生産能力強化も推進している。
15年3月期第2四半期累計(4~9月)の製品用途別売上構成比は、自動車関連が29.4%、家電製品が28.2%、事務器が12.5%、映像関連が7.8%、アミューズメントが5.5%、その他が16.6%である。LED照明関連の需要拡大も背景として、製品サイクルの長い自動車関連や家電関連に注力し、幅広い用途と顧客を獲得している。
中期経営計画では目標数値として16年3月期売上高200億円(片面プリント配線板100億円、両面プリント配線板85億円、実装治具関連事業15億円)、営業利益率6%、ROE(自己資本利益率)15%以上、ROA(総資産利益率)6%以上を掲げている。
重点戦略としては、LED照明関連など環境対応製品の強化、片面プリント配線板分野における圧倒的トップシェアの獲得、海外生産の拡大、技術革新やコスト対応による収益力向上、基板・実装関連に次ぐ第3の事業の確立に取り組んでいる。LED照明関連については直管型LED照明の普及や、自動車ヘッドライトのLED化進展による需要増加が期待されている。
1月30日に発表した今期(15年3月期)第3四半期累計(4~12月)の連結業績は、売上高が前年同期比9.1%増の131億41百万円、営業利益が同29.4%増の7億25百万円、経常利益が同30.7%増の7億51百万円、純利益が同47.5%増の5億61百万円だった。
製品別売上高を見ると、片面プリント配線板はLED照明向けが好調だったが海外事務器向けの減少で同0.3%減の66億76百万円、両面プリント配線板は直管型LED照明関連や自動車関連向けの好調で同22.7%増の46億36百万円、その他はスマートフォン関連向け搬送用治具が伸長し、14年10月の事業譲受も寄与して同16.4%増の18億28百万円だった。売上原価率は79.7%で同0.5ポイント低下した。増収効果、原材料調達コストの低減、製造ライン自動化による生産性向上などが寄与した。
通期の連結業績見通しは前回予想(7月31日に利益を増額)を据え置いて売上高が前期比5.4%増の170億円、営業利益が同12.7%増の9億円、経常利益が同11.8%増の8億80百万円、純利益が同25.1%増の6億50百万円としている。
配当予想については1月30日に増額修正を発表した。前回予想(4月30日公表)に3円増額して年間8円(期末一括)とした。前期との比較では3円増配となる。
通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は、売上高が77.3%、営業利益が80.6%、経常利益が85.3%、純利益が86.3%と高水準である。生産自動化進展や集中購買による原材料調達コスト低減などの効果も寄与して、通期利益は再増額の可能性が高いだろう。需要は国内外の自動車関連やLED照明関連を中心に増加基調であり、中期的にも収益拡大基調が期待される。
株価の動きを見ると、14年9月465円を突破して高値更新の展開が続いている。1月27日には587円まで上伸した。今期好業績見通しを評価する流れに変化はないだろう。
1月30日の終値566円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS45円35銭で算出)は12~13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は1.4%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS338円63銭で算出)は1.7倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。今期業績見通しは再増額の可能性が高く、予想PERには依然として割安感が強い。今期配当予想の増額修正も好感して上値追いの展開だろう。