【中期経営計画と株価】建設技術研究所は中期経営計画で18年連結受注高470億円目指す
- 2017/1/18 08:53
- 中期経営計画と株価
■割安感を見直して戻り試す、17年12月期の収益拡大期待
建設技術研究所<9621>(東1)は総合建設コンサルタント大手で、マルチインフラ&グローバル企業を目指している。16年12月期は減益予想だが、17年12月期は収益改善が期待される。株価は下値を切り上げている。指標面の割安感も見直して戻りを試す展開だろう。
■中期経営計画で18年連結受注高470億円目指す
15年5月にグループ中長期ビジョン「CLAVIS2025」を策定し、15年11月には中期経営計画2018を発表した。中期経営計画2018では、中長期ビジョン「CLAVIS2025」の最初の3年間の計画として、企業体力を強化するとともに事業ドメインの拡大を図り、マルチインフラ&グローバル企業へ向けての基盤を築くことを基本的な考え方とした。
そして中長期ビジョン「CLAVIS2025」目標(25年単体受注高400億円、連結受注高600億円)達成に向けて、中期経営計画2018では目標値として18年単体受注高350億円、連結受注高470億円、単体営業利益率7.0%(営業利益24億円)、連結営業利益率6.5%(営業利益30億円)を掲げている。株主還元については安定配当を維持する方針だ。
16年6月にはマルチインフラ&グローバル展開を担う3つの主要グループ会社の中長期ビジョンを策定したと発表している。
建設技研インターナショナルは、アジアを中心とした拠点整備や都市インフラ部門の基幹分野の育成を進め、100億円の事業規模を目指す。福岡都市技術は、区画整理事業をコアとして周辺事業へ展開し、日総建および本体とあわせ、CTI都市・建築グループとして都市プロジェクト事業計画から設計・監理・運営までワンストップで担うことを目指す。また地圏総合コンサルタントは、土壌・地盤・地質分野の新規顧客開拓、新事業開拓へと大きく舵を切り、これらの分野の事業規模を30億円まで拡大させることを目指す。
また16年9月には、マルチインフラ企業への展開の中核として15年グループ化した日総連と環境総合リサーチの中期経営計画を策定した。日総連はインフラ関連事業、建築・都市総合事業などの新規分野へ展開して事業規模20億円を目指す。環境総合リサーチは環境コンサルタントの基礎を構築して事業規模12億円を目指す。
■中期的に事業環境は良好
中期的に事業環境は良好である。20年東京夏季五輪関連、リニア新幹線関連など建設ビッグプロジェクトが目白押しであり、国土強靭化基本計画に沿って社会資本整備に対する計画的な投資が実行される。
防災・減災関連、老朽化インフラ補修・更新関連、都市再開発関連、アベノミクス重点戦略「地方創生」関連の案件が増加し、土木コンサルタント業務の積算に用いられる技術者単価や一般管理費の比率が上昇して採算改善も期待される。そして、技術力によって契約企業を選定するプロポーザル方式において優位性を発揮している。
中期的に良好な事業環境も背景に、CTIグループ中長期ビジョン「CLAVIS2025」で掲げた新分野・未参入分野・周辺分野・新業種等への事業領域拡大戦略も奏功して収益拡大が期待される。