【アナリスト水田雅展の銘柄分析】アライドテレシスHDは下値固め完了感、今期の収益改善期待で反発

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 ネットワーク機器や総合ITソリューションのアライドテレシスホールディングス<6835>(東2)の株価は、1月9日の戻り高値108円から反落したが、14年の安値圏80円~90円近辺まで下押す動きは見られず、95円近辺で推移して下値固め完了感を強めている。今期(15年12月期)の収益改期待で反発のタイミングだろう。なお13日に前期(14年12月期)の決算発表を予定している。

 世界23カ国・40連結子会社を統括する純粋持株会社で、ネットワーク関連機器およびソリューションの企画・開発・製造・販売・保守事業などを展開している。ネットワーク機器メーカーからITインフラ・スペシャリストへのシフトを目指し、総合ITソリューションおよびサービスの提供を推進している。

 14年12月には新SDNソリューションの開発を発表した。ストラトスフィア、ラクラス、クオリティソフト、トレンドマイクロ<4704>、およびインターネットイニシアティブ(IIJ)<3774>と連携し、ネットワーク運用管理の効率化とセキュリティーの強化を実現する新しいコンセプトのソリューションとしている。販売開始は今期(15年12月期)第2四半期(4月~6月)の予定で、自治体・文教・医療市場を中心に販促活動を強化する方針だ。

 1月13日には、イスラエルに子会社アライドテレシスワイヤレスを設立したと発表した。グループの有線/無線LANソリューションの強化を目的として、エクストリコム社の知的財産、先進的なテクノロジー、製品ラインアップを獲得して設立した。

 1月20日には米国SCC(Smart Cities Council)にリードパートナーとして入会(1月7日)したと発表した。米国SCCに入会・活動することで世界中の国や都市のスマート化を支援し、市場の拡大を目指すとしている。また1月23日には子会社アライドテレシス開発センターの社名を1月1日付でアライドテレシス総合研究所に変更したと発表している。

 前期(14年12月期)の連結業績見通し(2月12日公表)は、売上高が前々期比14.6%増の343億円、営業利益が7億円(前々期は12億84百万円の赤字)、経常利益が同27.8%減の5億50百万円、そして純利益が同4.8%増の1億円としている。配当予想は同1円減配の年間2円(期末一括)としている。

 第3四半期累計(1月~9月)は営業利益、経常利益、純利益とも前年同期に比べて赤字幅が縮小し、通期ベースでも営業損益の改善が期待される。想定為替レートは1米ドル=105円であり、ドル高・円安の進行で営業外損益の外貨建て資産に係る為替差益計上も期待されるだろう。

 今期(15年12月期)についても、ソリューション販売の強化と付加価値サービスの拡充、米国における政府系案件の受注拡大、中南米における新規顧客の開拓、アジア・オセアニアにおけるパナソニック<6752>とのパートナーシップによる監視カメラソリューションの提供拡大、国内におけるIT関連投資の需要拡大、円安に伴う国内販売価格の改定などで収益改善が期待される。

 株価の動きを見ると、1月9日の戻り高値108円から反落したが、14年の安値圏80円~90円近辺まで下押す動きは見られず、95円近辺で推移して下値固め完了感を強めている。

 2月2日の終値95円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS87銭で算出)は109倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間2円で算出)は2.1%近辺、前々期実績PBR(前々期実績の連結BPS94円16銭で算出)は1.0倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んだが下押す動きは見られない。また週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から反発の動きを強めている。サポートラインを確認した形のようだ。今期の収益改善期待で反発のタイミングだろう。

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