【新規上場(IPO)銘柄】マーキュリアインベストメントは、事業環境明るく高値奪回から一段高が狙える

株式市場 IPO 鐘

 マーキュリアインベストメント<7190>(東2)は、昨年10月17日に東京証券取引所市場第二部に上場。同社は2005年の設立以来、一貫して「クロスボーダー投資(国や地域を超えること、既存のビジネスの枠組みにとらわれずに挑戦すること)」をメインコンセプトに様々な形態の投資を行っている。中には同社の成長仮説に合う会社を自ら立ち上げたり、日本のファンドとしては初めて中国不動産に投資を行い香港REITとして上場させるなど、自らも積極的にクロスボーダーなチャレンジを行っている。投資運用事業の単一セグメントだが、主な収益源は国内外投資家の資金を投資事業組合等のファンドを通じて運用を行うファンド運用事業と自己資金の運用を行う自己投資事業の2つの事業となっている。

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 ファンド運用事業では、投資事業組合等のファンドを組成し、国内外投資家から資金調達、投資対象の発掘、投資対象への投資実行、投資対象のモニタリング、投資対象の売却等による投資回収等の管理運営業務を行うことでファンドより定期的・継続的に発生する管理報酬を得ているほか、ファンドの投資家に対する分配実績に応じてファンドより不定期に発生する成功報酬を得ている。自己投資事業では、主に同社が管理運営を行うファンドに対して自己投資を実行し、ファンドからの持分利益を得ているほか、自己投資対象からの配当や自己投資対象の売却による売却収入を得ている。

 前16年12月期第3四半期実績は、売上高が19億4600万円、営業利益が10億6100万円、経常利益が10億3700万円、純利益が7億2400万円に着地。

 前16年12月期業績予想は、売上高が22億7000万円(前の期比10.9%増)、営業利益が10億9500万円(同20.8%増)、経常利益が10億4800万円(同16.4%増)、純利益が7億1700万円(同15.4%増)を見込む。年間配当は期末一括45円を予定している。

 株価は、昨年10月17日の分割前の安値454円を底に同12月30日に分割後の高値1990円と上昇。その後、1600円割れで下値を固めモミ合い上放れ方向となっている。歴史的な低金利で運用難になっており、機関投資家などが投資ファンドへの投資意欲を高めると見られており、事業環境は明るい。筆頭株主である日本政策投資銀行と協働し、昨年8月31日に「マーキュリア日本産業成長支援投資事業有限責任組合」を組成。前16年12月期第3四半期純利益は年計画を上回り順調に推移。配当性向30%を目安に安定的な配当実施を目指しているが、今17年12月も増収・増益、増配含みと観測されており、2月14日に予定される12月本決算の発表に期待は持てる。チャート妙味が増しており、高値奪回から一段高が狙えそうだ。(株式評論家・信濃川)

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