【編集長の視点】シンデンハイテクは反落も3Q決算発表を先取って3月通期V字回復業績を見直し再発進が有力
- 2017/2/6 08:08
- 編集長の視点
シンデン・ハイテックス<3131>(JQS)は、前週末3日に20円安の1479円と反落して引けた。25日移動平均線で下値を確認する売り買いが交錯し、方向感を探る動きを続けているものだが、同社株は、2月8日に今3月期の2016年4~12月期(第3四半期、3Q)決算の発表を予定しており、改めて今3月期のV字回復業績を見直し下げ過ぎ訂正買いが増勢となる展開も有力視される。昨年11月に生体認証の指紋リーダの販売を開始した新規商材の展開や、足元で一時より円安・ドル高が進んでいることも業績期待を高めよう。
■委託開発案件の前倒し納入で営業利益が上ぶれ新規商材の販売開始も上乗せ
同社の今3月期業績は、昨年11月に上方修正と下方修正が入り混じる修正をされたが、売り上げ425億円(前期比13.9%減)、営業利益6億9000万円(同88.3%増)、経常利益3億7000万円(同2.20倍)、純利益2億6000万円(同3.61倍)と見込み、3期ぶりに大幅増益転換する。売り上げは、円高の影響で約50億円、顧客側の減産に伴う液晶ビジネス不調で約60億円それぞれ減少し、顧客への前倒し納入約23億円があるものの、減収転換し、経常利益と純利益も、為替差損や外貨建て資産・負債の評価損が響いて増益率を縮めいずれも下方修正されたが、営業利益は、委託開発案件の前倒し納入で上方修正され増益転換率を拡大する。配当は、期初予想通りに55円(前期実績40円)と増配を予定している。
3Q決算の発表は、為替相場が、ここにきてトランプ大統領の相次ぐ大統領令の署名でやや不透明化しているものの、昨年11月時点より円安・ドル高となっており、また生体認証ソフト・ハードを展開する革新的なプロバーダーの米国BIO-key社と代理店契約を締結し、指紋リーダの販売を開始するなど新規商材の寄与もあり、業績上ぶれ期待を高め注目度がアップしている。
■PER9倍台、PBR0・8倍、配当利回り3.7%の割安修正で昨年来高値奪回を目指す
株価は、一昨2015年8月に3680円で株式分割(1対2)の権利を落とし、落ち後高値2790円から前期業績の下方修正・減配や英国の「欧州連合(EU)離脱ショック」と、相次ぐ自己株式取得が綱引きするなか落ち後安値1040円まで調整したが、今期業績のV字回復に変わりがなく下げ過ぎとして底上げ、さらに昨年11月に新規商材販売開始でストップ高の1602円までリバウンドして調整幅の3分の1戻しをほぼクリア、足元では25日移動平均線水準でエネルギーを貯め込んでいる。PERは9倍台、PBRは0.8倍、配当利回りは3.71%と割り負けており、まず昨年11月の戻り高値を奪回し、ついで昨年高値2076円を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)