イノベーションの第3四半期の利益率は大幅に改善
- 2017/2/9 06:45
- 決算発表記事情報
■通期業績予想の上振れも期待できる
イノベーション<3970>(東マ)の今第3四半期は、売上高9億07百万円、営業利益1億15百万円、経常利益1億39百万円、純利益86百万円であった。
ちなみに、前16年3月期通期業績は、売上高13億03百万円、営業利益03百万円、経常利益04百万円、純利益13百万円であったので、今期の第3四半期の利益率が大幅に改善していることが明確となっている。
同社は、従来の法人営業が、飛び込み営業や大量の電話による新規のアポ取りなど非効率にとどまっているのに対して、インターネットを活用して見込み顧客獲得(リードジェネレーション)、見込み顧客育成(リードナーチャリング)、さらに顧客獲得後のフォローアップまでを行う一気通貫のサービスを提供しており、このためのオンラインメディア事業とセールスクラウド事業の両事業を展開している。
オンラインメディア事業では、法人向けIT製品の比較・資料請求サイト「ITトレンド」と人事・総務部門向けアウトソーシングなどの比較・資料請求サイト「BIZトレンド」を運営して、同サイトに出稿した企業は、購買意欲の高い見込み顧客を優れた費用対効果で獲得することを可能とし、セールスクラウド事業では、クラウド型のマーケティングオートメーションツール「List Finder」によって見込み客を発見し、顧客の課題を見える化し最適なタイミングで最適な提案をして営業の効率化を実現する。この「List Finder」は、富士キメラ総研のクラウド型マーケティングオートメーション製品市場調査で2015年度に中規模企業向けではシェア22.8%、小規模企業向けでは同54.5%といずれも導入数がトップとなっており、同社の成長可能性をさらに高めることになる。
第3四半期のオンラインメディア事業の売上高は6億84百万円となり、セグメント利益は3億27百万円。新しい広告施策の展開や積極的なSEO対策等の結果、主力である「ITトレンド」及び「BIZトレンド」における来訪者数(延べ人数)が355万7,426人(前年同期比73.1%増)となった。
セールスクラウド事業の売上高は2億23百万円となり、セグメント利益は46百万円。セールスクラウド事業の主力製品である「List Finder」においては、増員や展示会出展等の積極的な販売促進活動の結果、アカウント数が537件(前年同期比25.8%増)であった。
通期業績予想に対する進捗率は、売上高77.9%、営業利益82.1%、経常利益86.9%、純利益71.1%となっていることから、上振れも期待できる。
通期業績予想は、前事業年度に収益性の低いマーケティング代行事業(前年の売上高3億88百万円)から撤退したことで売上高11億64百万円(同10.7%減)と減収となるが、営業利益1億40百万円(同46.7倍)、経常利益1億60百万円(同40倍)、純利益1億21百万円(同9.3倍)と大幅増益を見込む。