【新規上場(IPO)銘柄】フィル・カンパニーは新たな事業スキームの構築を図る、三角保ち合い形成上放れを期待

株式市場 IPO 鐘

 フィル・カンパニー<3267>(東マ)は、昨年11月18日に東京証券取引所マザーズに上場。同社グループは、駐車場上部「未空間」の活用を実現した空中店舗フィル・パーク事業を展開している。コインパーキングを始めとした駐車場を取り巻く空間が「駐車場としてしか存在し得ない」という半ば常識(固定概念)ともなっていた状況下で「もったいない」という発想から、駐車場上部「未利用」空間を店舗として活用することで「駐車場+空中店舗(建物)」という新たな「常識と価値」を創り出している。新しいカタチはオンリーワンかつナンバーワンのサービスとして拡大期を迎えている。

 同社グループは、駐車場オーナーや不動産投資を考えられている方を、主に金融機関や税理士など(コンタクト パートナー)からの紹介による方法とWEBマーケティングを使ったダイレクトの問い合わせによる方法により集客し、効率の良い営業活動を行っているが、みずほ銀行、横浜銀行との新たなビジネスマッチング契約により、金融機関全体からの紹介案件数が倍増し、成約にも至っており、このような金融機関などとの業務提携を積極的に推進し、空中店舗フィル・パークのシェア拡大に注力している。

 前2016年11月期業績実績は、売上高が16億6800万円(前年同期比11.7%増)、営業利益が2億0600万円(同37.3%増)、経常利益が2億2800万円(同48.1%増)、純利益が1億7100万円(同22.3%増)に着地。

 今17年11月期業績予想は、売上高が21億円(前期比25.9%増)、営業利益が2億5000万円(同21.1%増)、経常利益が2億5000万円(同9.4%増)、純利益が1億6000万円(同6.7%減)を見込む。前期純利益は税効果会計による法人税等調整額の影響で押し上げられため増益だったが、今期純利益は減益となる見通し。

 株価は、昨年11月21日につけた上場来高値4470円から同12月9日に上場来安値2610円と短期調整を挟んで1月31日高値4305円と上昇。高値を前にモミ合っている。金融機関との提携、上場効果により問い合わせが急増しており、新たな事業スキームの構築を図っていることが注目される。土地オーナーだけでなく一般投資家や機関投資家の高まる不動産投資ニーズに応えて、従前より行っている土地オーナーの遊休地活用(不動産土地活用)としての空中店舗フィル・パークの企画・設計・建築スキームに加え、投資対象としての空中店舗フィル・パークを同社グループが企画・開発・販売する計画で、中長期的には業績に貢献する見通し。足元で25日移動平均線がサポートする形で、3800円を軸に三角保ち合いを形成しており、上放れを期待し時価買い方針だろう。(株式評論家・信濃川)

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