【編集長の視点】太平洋セメントは安値水準から続伸、3Q決算発表に期待を高め下げ過ぎ訂正

編集長の視点

太平洋セメント<5233>(東1)は、4円高の353円と続伸して始まり、今年1月16日につけた昨年来安値340円に並ぶ安値水準から底上げをしている。同社は、2月10日に今3月期第3四半期(3Q)決算の発表を予定しており、この業績期待を高め下げ過ぎ訂正期待の買い物が増勢となっている。株価的にも、前期も3Qの好決算が、その後の3月通期業績の再上方修正につながり昨年来高値451円まで100円高する起点となっており、再現思惑につながっている。

■前期も期末の通期業績の再上方修正・増配は3Qの好決算が前触れ

同社の今3月期業績は、昨年11月11日の第2四半期(2Q)決算発表時に期初予想が一部修正され、売り上げを20億円引き下げて8480億円(前期比0.9%増)、営業利益を据え置きの700億円(同0.6%減)、純利益を同じく350億円(同0.6%減)としたものの、経常利益を20億円引き上げて670億円(同3.7%減)と過去最高の前期業績からの減益転換率を縮小させている。人手不足や資材高で建設工事の進捗が遅れているが、国内では引き続き東日本大震災の復興工事や首都圏の再開発プロジェクトによりセメント需要が堅調に推移し、海外でも中国やアジア市場の需要は低調に推移しているものの、米国市場が続伸していることなどが要因となっている。

3Q決算は、2月10日に発表を予定しているが、前期は、3Q業績がV字回復して着地し、これが昨年5月の前2014年3月期業績の再上方修正・期末増配の前触れとなった経緯もあり、今期も、3Q決算の動向に注目度が集まっている。

■PERは12倍台と割り負け、25日線抜けから一段の底上げに加速

株価は、今期第1四半期の好決算が追撃材料となって昨年来高値451円をつけ、2Q累計決算の発表とともに材料出尽くし感から下値を探り年明け後に昨年来安値340円に売られ底固めを続けてきた。PERは1なお2倍台と下げ過ぎを示唆しており、ようやくキャッチアップしてきた25日移動平均線抜けから一段の底上げを加速しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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