【注目の決算】ジオネクスト:営業黒字化し財務体質の改善も進み「継続前提」の記載を解消

■太陽光発電では従来の「高圧」に加えビルなどの屋上に「低圧」発電所も積極化

 環境・ヘルスケア関連事業などのジオネクスト<3777>(JQG)は14日の夕方、2016年12月期の連結決算を発表し、再生可能エネルギー事業で利益率の高い案件が積み上がったことなどにより、営業利益は前期の1億4700万円の赤字から6700万円の黒字に転換した。また、親会社に帰属する純利益は赤字だったが、前期から3割近く改善して5億7000万円の赤字となった。これらに加え、新株予約権の行使などにより財務体質の改善も進み、16年12月期の決算短信をもって「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載を解消した。

■利益率の高い案件の積み上げ進み最終損益も今期は黒字転換を計画

 16年12月期の連結売上高は、再生可能エネルギー事業で太陽光発電所の開発案件の売り上げの一部が翌期にずれ込んだことなどの理由により、前期比25.6%減の5億9300万円だった。しかし、利益面では、再生可能エネルギー事業における利益率の高い案件の積み上げや経費削減、低採算だった連結子会社の株式譲渡などにより、営業利益が上記のように6700万円の黒字に転換した。経常利益も、関係会社リゾート&メディカルからの借入金に係る支払利息などがあったが、前期の約2億円の赤字から3400万円の赤字に大きく縮小した。
■再生可能エネルギー事業の部門利益は2.7倍に急増

 IT関連事業では、Webアプリケーション開発やデータベース製品、LinuxOSを使ったサーバー管理用ソフトウェア製品、およびサポートなどで引き続き既存製品の機能強化や協業企業との連携による付加価値向上に取り組んだ結果、この事業の売上高は前年同期比12%増加して約6650万円となり、営業利益は同97%増加して1460万円となった。

 再生可能エネルギー事業では、引き続き地熱発電についての開発、およびコンサルティングを行うとともに、太陽光発電では、発電所の自社開発にとどまらず、他社が保有する優良な発電所の取得などを積極的に進めた。この部門の売上高は前年同期比32%減少して約3億8900万円だったが、三笠市弥生町太陽光発電所の売電収入がこの期から本格的に寄与し、開発案件の譲渡や太陽光パネル関連における収益の獲得などにより、営業利益は同2.7倍の約2億1380万円となった。

 今期・2017年12月期は、IT関連事業で一昨年に販売を開始したインターネット用サーバー向け製品などの浸透が見込まれ、再生可能エネルギー事業では、従来の高圧ばかりでなく低圧発電所案件であるビルなどの建築物の屋上に発電所を設置するという「屋上太陽光発電所」の新分野に積極的に取り組む計画。連結業績見通しは売上高を3.7倍の22億4600万円とし、営業利益は同2.5倍の1億6600万円、親会社に帰属する純利益は黒字転換の6300万円、予想1株利益は50銭とした。

 2月10日付では、連結子会社のエリアエナジーが日本屋上発電所株式会社(東京都中野区)から太陽光発電所にかかわる権利等を取得したと発表し、早くも今期の展開に期待が広がっている。(HC)

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