【CSR(企業の社会的責任)関連銘柄特集】クリナップは心豊かな食住文化の普及、向上へ豊富な情報提供を

写真=料理実習の模様

心豊かな食住文化の普及、向上へ豊富な情報提供を

「家族の笑顔をつくります」~積み上がる実績

 システムキッチンの大手で、システムバスルームや化粧台などを提供するクリナップ<7955>(東1)は、ブランド価値向上にむけ、食住文化に基づいたCSR活動や、多様な事業展開で注目されている。
 特に、『家族の笑顔を創ります』という経営理念を商品政策へ反映させるとともに、全国に展開する102カ所のショールでは、心豊かな食・住文化の普及、向上に役立つ豊富な情報提供を心掛けている。

ブランドステートメント
~キッチンから笑顔をつくろう~
理念体系

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CSR事業~「みんなの笑顔」を広げる活動

 クリナップの経営理念には、『独自の志』の1つとして「多くの人々に喜びを提供し、好感をもたれる企業を目指す」とある。
 社員が働く過程で、喜びや楽しみを見出そうという願いであり、一歩進んで、生活者との繋がりを通して、個人、家族そして、集団としての「笑顔」を創造したいとの想いが、同社の特徴的な商品やサービスの提供に反映され、家族の笑顔創りに、同社CSR活動の原点がある。
 日頃から地域社会と食住文化を中核としたCSR活動は市民生活に密着に展開することで広がっている。
 市民マラソン(いわき市)あり、家族のエピソードを題材とした映画製作の協賛あり、オリンピックに代表を送り出すレスリング部、弁当づくりを通して子どもたちの自立と成長を促す『弁当の日応援プロジェクト』、さらに健常者と障がいを持つ社員が「共生」するクリナップ ハートフル事業など、同社は「みんなの笑顔」を広げる活動を続ける。

健常者と障がいを持つ社員が「共生」~クリナップ ハートフル(株)

 同社は、「障がいを持つ社員が社会的に『自立』できる100%出資の特例子会社「クリナップハートフル株式会社」を設立し、2008年3月から活動している。

創業地に開店した「クリ夫のパン屋」1号店

創業地に開店した「クリ夫のパン屋」1号店

 社名「クリナップハートフル」は、社会に心のこもった価値を創りだそうというクリナップの想いを託したもので、「障がいを持つ社員が社会的に『自律』でき、健常者と障がいを持つ社員とが『共生』できる会社、障がい者と社会とをつなぎ、家族の笑顔をひろげることを目指す」のだと説明する。
 直近、2016年11月1日には、ベーカリーショップ「クリ夫のパン屋」1号店を由緒あるクリナップ発祥関連の地に開店。近隣の住民への利便にも貢献している。店名には、ゆるキャラで人気の公式キャラクター『クリ夫』の名を冠している。

地域に密着した各種活動の中から~

☆世界で活躍するレスリング部~キッズいわきクラブも

 福島国体が開催されたのを機会に、企業スポーツとしてレスリング部を創部(1992年)し運営している。現在、東京オリンピックを目指し、国内外で活躍している。

鈴木選手

鈴木選手

「選手の主な戦績」(2016年度 同社所属)

○鈴木博恵選手(女子レスリング75kg級):2016年・全日本選抜選手権大会優勝・2015年・世界選手権大会(米国)代表・アジア選手権大会(カタール)優勝、全日本選抜大会優勝、女子ワールドカップ(ロシア)団体優勝
○田野倉翔太選手(59kg級):2016年・全日本社会人選手権大会優勝、2015年・天皇杯全日本選手権大会優勝・全日本選抜選手権大会優勝
○前田翔吾選手(65㎏級):2016年・リオ五輪世界一次予選出場・リオ五輪アジア予選3位、2015年・天皇杯全日本選手権大会優勝

☆全国中学選抜レスリング選手権で活躍

 主力工場がある「いわき市」では、『クリナップキッズいわきレスリングクラブ』を編成し、各地で開催される大会にも参加し、11月26日から27日、東京・駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で開催された、平成28年度東京都知事杯 第7回全国中学選抜レスリング選手権大会に、同いわきレスリングクラブから3名の中学生(写真)が出場し活躍した。

左から松浦、鈴木、猪狩、鈴木コーチ、猪狩コーチ

左から松浦、鈴木、猪狩、鈴木コーチ、猪狩コーチ

☆「弁当の日プロジェクト」など

 同社の行動理念である「心豊かな食・住文化」創造活動の一環として、「弁当の日応援プロジェクト」に参加し、「弁当の日」の導入を支援している。荒川区立(東京都)第六日暮里小学校の「弁当の日」導入に向けて「子ども料理教室」や講演会の運営支援を行った。

左・子ども料理教室:初めてのガス点火一年生児童、右・弁当の日:お弁当を囲み笑顔で記念撮影

左・子ども料理教室:初めてのガス点火一年生児童、右・弁当の日:お弁当を囲み笑顔で記念撮影

☆大学への寄付講座「料理アカデミー」をWebへ展開

 同社が主催する「料理アカデミー」は、『家族の笑顔を創ります』という理念に沿い設けられた「おいしい暮らし研究所」を中心に、聖徳大学、武庫川女子大学の協力を得て、食の大切さや役割を見直す試みが続けられている。
 『食』には、食べること以外にも様々な働きがあることを、生活者に広く知らせたいと考え、現在では「キッチンから笑顔をつくる料理アカデミー web分校」を開講している。

 

 『食』を多面的に捉えるために、文化(郷土料理)、美学、科学、健康、安全、食育といった様々な切り口からテーマを設定し、講義でテーマについて知識を学び、料理実習を通じて理解を深めている。

環境改善へ積極低取組「常に先見性を発揮し業界をリード」

☆環境報告書~キッチンの歴史が語る:環境への取組の進化

2016年度報告書(左)、内容の一部(右)

2016年度報告書(左)、内容の一部(右)

 同社の歴史はシステムキッチン変革の歴史ともいえる。
 流し台、調理台、コンロ台と分割されたキッチンが主流だった1973年、ヨーロッパのキッチン構造を参考に、継ぎ目のない一枚天板のシステムキッチンを生み出した。いまでは一般名詞化したこの言葉も同社による造語だ。
 手頃な価格設定で量産化した「クリンレディ」を発売後、常にパイオニアとして業界をリードする。
 キャビネットが観音開きの時代にオールスライド方式を採用(1998年)して、扉を引き出しへ替え、足元まで収納できる「フロアコンテナ」を開発(1999年)したのが、更なるイノベーションの動機となった。
 「キッチンから『家族の笑顔を創る』」ための開発はこの頃から加速する。
 単にステンレスをプレス加工したシンクから、調理中の水音で家族の会話を妨げないよう制振構造を用いた「サイレントシンク」(2004年)。さらに汚れがつきにくく落としやすいようステンレス表面にコーティングする「美コート」を用いた「美サイレントシンク」(2005年)へと革新し、その延長線上にグッドデザイン賞「流レ―ルシンク」開発(2015年)へと進む。
 さらに、木製キャビネットのマーケットに、総ステンレス製「クリンレディ」を投入(2011年)した英断が、製品開発とともに「環境課題への取組」を進化させている。

☆リサイクル率8割ステンレス素材に注目~グループ全体iSO14001 認証取得

 ステンレス素材の全面採用は、汚れや熱に強く、カビやニオイがつきにくい特性を活かした商品性に加え、80%以上のリサイクル率素材であることに注目したからである。
 また、トヨタ看板方式で生産性を高め、さらに物流システムでもコストとエネルギー面での改善に取り組み、また、鹿島工場が環境管理の国際規格iSO14001 認証取得(1999年)したのを皮切りにグループ全体が同認証を取得するなど、常に先見性を発揮し業界をリードしている。

地域への感謝!公益財団法人クリナップ財団の設立

 東日本大震災(2011年3月11日発生)から6年、被災企業、地域住民の復旧は道半ばであるが、いわき市に集中する同社の主力工場は、設備・資材調達などのダメージを受けながらも、1年余りで被災前に近い生産体制に早期復旧した。
 同社では、地域住民・地元関係者などの支援・協力のお陰であると捉え、その感謝の気持ちを『県下の被災地復興支援で示す』ため「クリナップ財団」を設立、運営を開始した。
 「クリナップ財団」は、県下出身者で県内の大学(短期大学を除く)、高等専門学校に進学する、被災などで経済的に修学困難な学生(医学・歯学・薬学系を修学する学生を除く)を対象に奨学金支援(返済不要)を行う制度である。
 2016年度は、高等専門学生5名程度・大学生25名程度を対象として、奨学金(月額)2万円/人を支給している。

 

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